手数料ゼロで仮想通貨と株取引ができるアプリ、ロビンフッドが規制機関に目をつけられるかもしれない。

米国のロビンフッドは13日、新たにチェッキング・アカウント(日本でいう当座預金)とセービング・アカウント(日本でいう普通預金)を導入すると発表。手数料無料で24時間対応可能、全米7万5000以上のATMに無料でアクセスできる上、双方とも金利が3%つく。フォーブスによると、米国のセービング・アカウントの平均金利は0.1%。最も高くて2.25%であり、ロビンフッドが設定する預金金利はそれらをはるかに上回っている。

ロビンフッドの狙いについて、預金サービスのデジタル化が進む中、伝統的な銀行からシェアを獲得しようとしているのではないかと前向きな評価が報じられた。ロビンフッドは、プレスリリースの中で次のように述べた。

「現在、伝統的なチェッキング・アカウントとセービング・アカウントは、稼ぎの少ない人には高くつき、不公平で負担の重い手数料を課している。そして、あなたが預金に対して得られるリターンは、最小だ。我々は、あなたが自分のお金を使ってもっと稼ぐべきだと思っているし、お金にアクセスするために手数料を課せられるべきではないと信じている」

 

SIPCのCEO「聞いてない」

しかし、ロビンフッドの新サービスには一夜にして暗雲が立ち込め始めた。

ブルームバーグフォーブスによると、証券投資者保護公社(SIPC)のステファン・ハーバックCEOが、ロビンフッドの新サービスはSIPCの保護を受けていないと発言。SIPCは、ブローカー業者が破綻した時に投資家を保護するために設立した非営利団体で、ブローカー業者は法律でSIPCのメンバーになることを義務付けられている。ハーバックCEOは、ロビンフッドから事前に連絡がなかったことを明かし、「かなり懸念している」と話したという。

米国では若い投資家を中心に人気のロビンフッド。規制機関との連携の不備で逆風にさらされるかもしれない。実際、フォーブスによると、SIPCのハーバックCEOは、米国証券取引委員会(SEC)の担当者に電話をして調査をするよう求めたという。