仮想通貨・株取引プラットフォームのロビンフッドは、FTXの元CEOであったサム・バンクマン-フリード氏(通称SBF)が保有していた5500万株以上のロビンフッド株の購入を発表した。

8月31日のブログ投稿によれば、ロビンフッドは米証券取引委員会への申請を経て、約6億600万ドルで5527万3469株を購入した。これらの株は、元々SBF氏とFTXの共同創設者であるゲイリー・ワン氏がエマージェント・フィデリティ・テクノロジーを通じて保有しており、1月に米司法省によって押収されていた

この購入は予想されていた。ロビンフッドの取締役会は、同社の2022年第4四半期報告書でこの取引の承認を発表しており、8月30日のSECへの提出書類でも、ニューヨーク南部地区の米国地方裁判所が購入を「いかなる請求権や抵当権、先取特権なく承認した」と述べていた。ロビンフッドはこの買い戻し契約を米連邦保安官局と締結した。

「これらの株の購入が完了し、顧客と株主のために成長計画を実行することを楽しみにしている」とロビンフッドの最高財務責任者であるジェイソン・ウォーニック氏は語った。

エマージェント・フィデリティ・テクノロジーは、SBF氏の持株会社であり、2月に破産を申請していた。この会社を巡っては、FTX崩壊を受けて破産申請をした仮想通貨貸付企業ブロックファイのターゲットが、5500万株のロビンフッド株がブロックファイに担保として提供されており、その所有権を主張していた

FTX自体の破産手続きが進行中であり、SBF氏、ブロックファイ、FTXの債権者であるヨナタン・ベン・シモン氏は、約6億ドル相当のロビンフッド株に関する所有権を巡る法的闘争を繰り広げていた。SBF氏の弁護団は、SBF氏がその刑事弁護費用のために資産に対する請求権を持つと主張していた。8月11日に保釈が取り消された後、現在は拘置中のSBF氏は、10月3日に初めての裁判に出廷する予定である。

この購入を受けて、ロビンフッドの株価はナスダックで約4%上昇し、発表時点で10.85ドルから11.34ドルとなった。仮想通貨の専門家たちは最近、同社が50億ドル以上の価値がある五番目に大きなイーサリアム(ETH)ウォレットの所有者であることを明らかにした

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン