大手銀行であるサンタンデール銀行が、仮想通貨(暗号資産)・ブロックチェーン開発企業リップル(Ripple)と共同で構築した国際決済アプリ「One Pay FX」の利用可能な地域に19の地域を追加した。
リップルの7月9日の発表によると、サンタンデールが構築したブロックチェーン基盤の決済チャネルである「One Pay FX」をアプリの形で提供している。サンタンデールは2018年にリップルと協力してこのアプリを立ち上げた。
今回の発表によると、これまでは英国、スペイン、ポーランド、ブラジルでしか利用できかなったOne Pay FXが、さらに19地域のユーザーが利用できるようになった。拡大された地域には、米国やチリ、ポルトガルなどが含まれている。
ユーザーからのフィードバック
One Pay FXのCTOであるエド・メツガー氏は顧客からの国際決済プロセスに対する要望に対応するため、「ブロックチェーンがトランザクションをより速く、より安く、より透明化する方法を探るためにリップルと提携した」と述べている。
メツガー氏は顧客からのフィードバックについて説明し、取引における為替レートの明確さとタイミングの混乱の問題を指摘している。
「リップルは、顧客が提起した問題に直接対処するのに役立つことになる。…外国のサプライヤーに支払う場合でも、いつ到着するかを正確に把握することができ、送金がいつ到着するかについて確実性を得ることができる」
さらにメツガー氏は、このアプリにリップルの技術を搭載しているため、グローバルな送金時間などの領域でも改善されていると述べている。
2018年に開発されたOne Pay FX
スペインを拠点とするサンタンデールは、リップルの技術を活用したブロックチェーン送金ネットワークとして「One Pay FX」を開始した。当時は英国、スペイン、ブラジル、ポーランドに口座を保有する顧客に対してサービスを提供していた。
当時の発表によれば、2015年の時点で、初期段階のプロットタイプでブロックチェーンが伝統的な支払い方法の欠点を改善できることを示していた。さらに英サンタンデール銀は16年、、リップルを使った携帯電話送金サービスを社員向けに提供開始していたという。
サンタンデールは当時の発表で次のように述べていた。
「本日から、英国の顧客はワン・ペイでヨーロッパと米国への送金が可能になる。スペインの顧客は、英国と米国に、そしてブラジルとポーランドの顧客は、英国への送金が可能だ。ヨーロッパへの送金は同日中に処理される。また、今年夏までには、複数の市場に即時送金サービスを提供したい」
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン