ブロックチェーン分析のホエールアラートによれば、リップル共同創業者のジェド・マケーレブ氏が2014年から2019年の間に仮想通貨XRPを10億XRP以上売却していたという。

2月6日に公開されたホエールアラートのブログによれば、マケーレブ氏は14年から19年の間に10億5000万XRPを売却。平均売却価格は1XRPあたり0.129セントで、売却額は計1億3500万ドルにのぼるという。また2020年1月にも1900万XRPを売却している。

ホエールアラートによれば、現在マケーレブ氏が持つ資産は47億XRPにのぼる。これはXRPの総供給量の約5%に相当し、市場価値は10億ドル以上になる。

ホエールアラートは、XRPの売却を制限する契約が切れることで、数値が上昇する可能性があると考えている。

「彼の活動はリップルとの和解契約により制限されているが、2020年のどこかで期限が切れる可能性がある」

このニュースは、ツイッター上でXRP保有者を驚かせるものとなったが、ホエールアラートはコインテレグラフに次のように述べている。

「私たちは人々を驚かせたくなかったが、彼らが今何が起こっているかについて、より良い見方を持ってもらいたいと思っている」

90,000のトランザクションを分析

ホエールアラートは、マケーレブ氏が関係していると特定したアドレスを投稿している。これはマケーレブ氏のブログやリップルのフォーラムへの投稿、および公開台帳の情報をもとに分析されたものだ。

ホエールアラートによれば、90,000件を超えるトランザクションを分析することで、約80億XRPを追跡することができたという。

分析によれば、売却した10億5000万XRPはほとんどが取引所のビットスタンプを通じて売却されたという。

ホエールアラートは、マケーレブ氏の売却がXRPの価格に影響を与えたかどうかは判断できないとしているが、「1日当たりの総取引量と比較すると、マケーレブ氏が売却している額は重要ではないようだ」と指摘している。

また売却益は「ビットスタンプを介して直接キャッシュアウトされており、そのいずれかが仮想通貨市場に再投資されているという証拠は見つからなかった」と述べている。

XRP/USD

(出典: Medium.com/@whalealert  マケーレブ氏が売却したXRPと平均売却価格)

マケーレブ氏とは

マケーレブ氏は仮想通貨の歴史において重要人物だ。仮想通貨取引所マウントゴックスを設立し、仮想通貨ステラ(XLM)の共同設立者でもある。

また2012年にはオープンコイン(後のリップル)を共同設立し、95億XRPが割り当てられた。この大きなシェアは、その後議論を呼ぶことになる。

2014年にマケーレブ氏がすべてのXRPを売却する意向を発表した時、その後24時間でXRPは40%急落した。その後、同氏はリップルとの間で年間の売却を制限する7年間の契約を締結することとなった。この契約に基づくと、マケーレブ氏はXRPを6年目に10億XRP、7年目に20億XRP売却することができる。

ホエールアラートは、2020年が契約の7年目にあたると指摘している。「この投稿は2014年のものだ。これを1年目とすると、2020年のどこかで終わるはずだ」と説明している。

ただ詳細は不明であり、2020年が契約の6年目だとする意見もある。

2016年のリップルとの訴訟で、契約は修正されており、1日の売却には上限が設定されている。これは、XRPの1日の取引高の1.5%に設定されている。

ホエールアラートは、マケーレブ氏が持つXRPがさらに数十億単位であることに警鐘を鳴らし、分析を終えている。

「リップルのブロックチェーンの未来が明るいと信じているか否かに関わらず、ジェド・マケーレブのようなクジラの経済力とその結果は無視できない。また彼だけではない。共同創業者のアーサー・ブリットも数十億のXRPを持ち、将来的にその期限が切れるだろう」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン