クレジットカードは、その人の年収や社会的地位に応じて発行可能なレベルが異なる。
中でもトップクラスのステータスを示せるカードがプラチナカードだ。
今回は、プラチナカードを持つメリットや、どのようにすればプラチナカードを手に入れられるかについて紹介する。
プラチナカードは高いステータス性がある
プラチナカードを持つメリットは、その高いステータス性と、それに見合ったハイレベルな付帯保障だろう。
年会費が高いなどの特徴も、ゴールド以下のカードとは大きな差のあるポイントだ。
プラチナカードはゴールドカードより上のランク
クレジットカードにはランクがある。
無償で作れることも多い一般カード、年収要件がやや高いゴールドカード、今回の記事で紹介するプラチナカード、そしてさらにグレードが上となるブラックカードの4段階にクラス分けされることが多い。
カードによっては、一般クラス、ゴールドクラスはあっても、プラチナ以上のカードが存在しないケースもある。
また、最高ランクとなるブラックカードは、ほとんどすべてがインビテーション制で入会が決まる。
インビテーション制は、既存の下位クラスユーザーに対してカード会社が招待を送ることで入会することができるシステムだ。
つまり、多くの一般カードのように、自らブラックカードを申請することは、基本的にできない。
プラチナカードもインビテーション制が取られている場合が多いが、自分から申請を出して手に入れることもできる。
つまり、自ら取得しようとして手に入る最高ランクのクレジットカードが、プラチナカードだということになる。
非常に高い年会費
年会費は非常に高く、最低でも数万円から、十万円を超えるようなものもある。
一か月あたりのクレジットカード利用額が1万円程度の人であれば、年会費のほうが高くなってしまうケースもあるだろう。
それだけにプラチナカードは、クレジット利用が多く、かつ高い年会費を払うことに問題のない人のみが持つことができるステータスカードとなり得るわけである。
豪華な付帯サービス
もちろん、ただ見栄のためだけであれば、プラチナカードを持つメリットはない。
プラチナカードには、特別にレベルの高い付帯サービスが設定されているケースがほとんだ。
基本的にゴールドカードに付いている付帯サービスはすべて標準装備
ゴールドカードであっても、ある程度の付帯サービスが手に入る。
しかしプラチナカードはゴールドカードの上位互換である。
ゴールドカードの付帯サービスはすべて受けられるし、プラチナカードのサービスのほうが高品質、高水準なものと考えて差し支えないだろう。
コンシェルジュサービス
コンシェルジュは、ホテルで観光スポットの案内をしてくれる人、チケット手配や旅行のプランニングをしてくれる人などを指す言葉である。
クレジットカードの付帯サービスであるコンシェルジュサービスでは、旅行の手配に関するサポート、レンタカーやレストランの予約案内などを行ってくれる。
これらを活用することによって、自ら時間と手間をかけてさまざまな予約を取る必要がなくなる。
ホテル・レストランでの優待
予約を取るサポートをしてくれるだけではなく、ホテルやレストランでの利用割引といった優待が受けられる。
もちろん割引率はカードや使用店舗によって異なるし、すべての宿泊施設・飲食店で同様の割引サービスが受けられるわけではないが、ハイランクの施設を安価に利用できる特典は、非常にありがたい。
空港ラウンジサービス
空港での待ち時間を優雅に過ごすことができる。
ラウンジサービスはソフトドリンクが飲めたり、電子端末の充電ができたりと、忙しい仕事の合間のひと時として活用するのに充分な快適さが得られる。
ただし、カード会社によって利用できるラウンジが分かれているケースがあり、一律のサービスが受けられるとは限らない点には注意が必要だ。
国内外の旅行保険にも高い補償が付く
プラチナカードともなると、ほぼすべてで旅行保険が付帯している。
国内外どちらの旅行におけるトラブルに対しても、かなりの額の補償が得られる。
また、飛行機遅延などに伴う損害補填金も充実していることが多い。
プラチナカードで得られる補償があれば、よほどのことがない限り、別建てで旅行保険を組む必要はないだろう。
プラチナカードの入会審査
このようにハイスペックなプラチナカードではあるが、それだけに、入会のための要件もハードルが高い。
年収
年収1,000万円程度でないと入会できないといわれている。
全世代の平均年収が500万円程度であることを考えると、年収要件を上げることでステータスカードとしての地位が保ちやすくなることは間違いないだろう。
クレジットヒストリー
クレジットヒストリーとは、過去のローン返済実績などの記録を指している。
基本的には、過去2年分の返済記録やクレジットカード利用履歴などが保存されている。
支払い遅延を繰り返しているような場合には、支払い能力の欠如が疑われ、審査落ちとなる可能性が高まる。
もちろんクレジットヒストリーは一般的なクレジットカードでも確認されているが、プラチナカードではその審査がより厳しくなっている。
普段から延納などを起こさないように気を付けておく必要がある。
現在の預貯金、借金
現在の資産状況についても、一般のクレジットカードと同様に審査される。
預金額、有価証券等を含めた資産額、借金の状況について正しい情報を伝える必要があるのだ。
もちろん、ここも高い水準のスコアが求められる。
非常に高額な支払いが一時的に必要となる家の新築、増改築の際には住宅ローンなどを組んでいることもあるかもしれないが、これについても正しく報告しなくてはならない。
ただし、持ち家の場合はそのまま差し押さえ可能な資産としての価値もあるため、住宅ローン自体がマイナスになることはあまりないようだ。
もちろん、支払いを滞納しないようにだけ気を付けておく必要はある。
年齢
もう1つ気を付けたいのが、年齢要件だ。
多くの一般的なクレジットカードは、18歳以上、もしくは20歳以上を契約の最低年齢として定めている。
一方プラチナカードでは、『十分な社会的ステータス』が審査される。
会社勤めであればそれなりの役職、地位などが必要となるのだ。
それも一因であろうが、プラチナカードは一般カード、ゴールドカードに比べて年齢要件が厳しく、25歳以上や30歳以上などとしているケースが多い。
そもそもそれ未満の年齢で年収1,000万円クラスになること自体が相当珍しいケースではあるが、年齢要件については満たしていないと確実に審査落ちするだけに、事前にしっかりとチェックしておく必要がある。
インビテーションの場合は入会審査なし
こうした高い入会要件をクリアしないと、プラチナカードは手に入らない。
しかし、インビテーション制度を利用すれば、もっとハードルは下がる。
では、どのような人にカード会社から招待が届くのだろうか。
一般カード・ゴールドカードの高額利用者
プラチナカードへの招待は、基本的にゴールドカードの高額利用者に届く。
ゴールドクラスのカードがない場合は、一般カードの高額利用者に対しプラチナカード会員への招待が届くケースもある。
目安は年間100万円以上と言われているが、カード会社によっては200万円以上使っていても招待されないこともありうる。
あくまでもカード会社が「プラチナカードを持っても継続的に支払いができそう」と判断する利用履歴のある人にインビテーションを送っているだけなので、注意が必要だ。
同一カードを長期利用
同一のクレジットカードを最低でも1年は利用していないと、インビテーションは送られないといわれている。
クレジットカードをコロコロ変えられる人はそれなりの高収入であることは間違いないが、カード会社にとっても継続利用してくれる顧客のほうがありがたいということだろう。
クレジットカードは複数枚持つことが可能だが、プラチナクラスのカードを複数枚持つことはあまり考えにくい。
1枚のカードをプラチナランクにするのであれば、それを積極的に長期利用していくのが賢い策だと言えそうだ。
一般申請が可能なものとインビテーションのみのものがある
プラチナカードの中には、そのカード会社のクレジットカードを1枚も持っていない状態からいきなり申請できるタイプのものと、インビテーションのみの対応となっているものがある。
インビテーションのみの対応となっているものは、もちろん自分から申請することはできない。
そのワンランク下となるカードを持って、長期間高額利用を続けることで、インビテーションが届くのを待つことしか、手に入れる方法はない。
一方、自分で申請して取得することができるプラチナカードの場合は、上記のような要件を満たしていないと、審査落ちとなってしまう。
年収に自信があり、クレジットヒストリーに傷がなく、かつ預貯金額も十分にあって借金が少ない状態で、審査に臨もう。
おすすめのプラチナカード5種
今回おすすめするカードは、いずれも自分で発行の申請ができるタイプのカードだ。
年会費や受けられる付帯サービスについて紹介していくので、自分に合ったハイクオリティカードを1枚持ってみるのも良いかもしれない。
アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード
プラチナカードとして名高い、AMEXの1枚だ。年会費は143,000円(税込)、家族カードは4枚まで無料で発行となる。
メタル製のカードは重厚感もあり、ステータスカードとしての存在感も別格だ。
AMEXのポイントプログラムが利用できるなどの基本的な特典のほか、旅行傷害保険、個人賠償責任保険などが付帯している。
また、2人以上で予約すると1人分のコース料金が無料になる「2 for 1ダイニングby招待日和」といった割引優待サービスが充実している。
自ら申請して手に入れることができるクレジットカードではあるが、格の高さは1級であろう。
セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード
同じくAMEXのカードではあるが、こちらはセゾンの永久不滅ポイントが付与される。
コンシェルジュサービスに加え、ホテル・ダイニング・スパなどの優待サービスが受けられる『オントレentrée』が利用できるなど、付帯サービスは引けを取らない充実ぶりだ。
カードの年会費は22,000円(税込)、家族カードは1枚につき3,300円(税込)が必要となる。
こちらも自ら申請できるタイプのプラチナカードだ。
現在セゾンカードを利用していて、グレードの高いカードへの移行を考えているのであれば、利用価値は高いと言えるだろう。
三井住友カードプラチナ
本会員の年会費が55,000円(税込)、家族会員は無償で持てるプラチナカードである。
コンシェルジュサービスのほか、一流ソムリエが選ぶワインの案内なども得られる。
空港のラウンジサービスやハイグレードなカード付帯保険サービスなどはもちろんのこと、このカードならではのプレミアムな体験を味わうこともできる。
例えば、通常ビジターでは利用不可能なゴルフコースの予約が可能になったり、スーパーカー専門のカーシェアリングを特別優待で利用できたりと、ほかのカードではあまり見かけないプランが揃っている。
ANA VISAプラチナ プレミアムカード
ANA VISAプラチナプレミアムカードは、年会費88,000円(税込)、家族会員は年4,400円(税込)のプラチナカードだ。
年会費等は三井住友カードプラチナより高いが、大きな違いは、ANAマイルの貯まりやすさだ。
入会に合わせてボーナスマイルプレゼントがあるほか、搭乗の際にボーナスマイル、さらに通常のANA航空券を購入するだけでマイル2倍と、とにかくマイルを貯めやすい。
ANAマイルを積極的に活用している人、ANAを頻繁に利用している人であれば、ぜひ活用したい。
エポスプラチナ
エポスカードのプラチナランクは、年会費33,000円(税込)で持つことができる。
ただし、エポスプラチナカードを年間100万円以上利用する場合、翌年以降の年会費は22,000円(税込)となる。
エポスカードはゴールドランクでもエポスポイントが貯まりやすい優良カードであるが、プラチナランクはさらにポイントがたまりやすい。
もちろん、ポイントだけでなくコンシェルジュサービスなども充実しているため、使うほどメリットが大きくなる1枚だ。
現在エポスカードの一般会員、またはゴールド会員で、年間100万円以上カード使用している場合は、切り替えを検討しても良いだろう。
持つべき人は申請を。プラチナカードは社会的ステータスの証にもなる
プラチナカードは、ポイントが貯まりやすいというメリットがある。
さらに付帯サービスも充実しており、経済的なメリットが大きいように見えるだろう。
しかし実際は、それだけではない。
プラチナカードを持つことができるのは、「社会的信用が高い人物」のみである。
収入、地位などが良好であるとカード会社から認められた人のみが持てるカードがプラチナカードだ。
見栄で持つようなカードではないが、それでも社会的地位がある程度高ければ、信用の証としてプラチナカードを申請するのも良いかもしれない。
プラチナカードは複数枚所有して使い分けるような性質のものではなく、そこに支払いを集約させていくようなタイプのカードだ。
そのため、年会費や付帯サービスを比較して、より納得のいく1枚を選ぶべきだろう。