ベネズエラ 年金を仮想通貨ペトロに強制的に両替 「銀行システム脱却」に向け前進か

ベネズエラ政府が、年金受給者に対する毎月の支給金を国営の仮想通貨ペトロ(PTR)へと自動的に両替した。政治ブログ、カラカス・クロニクルズによる12日付のレポートで明らかとなった。ハイパーインフレーションに苦しむベネズエラでは、政府がペトロ普及のために様々な施策を実行し始めている。

仮想通貨ペトロは、石油に裏付けられた国営の仮想通貨で、10月下旬に正式に販売が開始された。グーグルがペトロのデジタル・ウォレットの利用を停止していることから、ペトロの公式ウェブサイトか官公庁においてのみの購入となっている。

カラカス・クロニクルズによれば、年金受給者に対する12月7日付の最新の政府による支払いは、最初は法定通貨ボリバル・ソベラノでで受給者のウェブ法定通貨ウォレットに入金された。しかしその後、自動的に引き出されてペトロへと変換され、新しい残高には「ペトロでの貯金」という簡潔な説明が付いていたという。

17年1月以降、ベネズエラの年金受給者はボーナスの支払いを政府の「マザーランド・カード」(carnet de la patria)スキームで受け取っている。同カードは18年1月以降、政府のウェブポータルpatria.org.veからアクセスできるモバイルウォレット(Billetera Móvil)と結びついている。支払いがボリバル・ソベラノで行われペトロに両替されなかった頃は、カラカス・クロニクルズの表現を借りれば、銀行支店に「1日中」並び、お金を引き出していたそうだ。

同ブログは、マザーランド・カードシステムを通して年金やその他の社会保障給付金にアクセスする仕組みを構築することで、政府が国民に「公式の銀行システムを見捨てるよう」圧力をかけることを可能にし、政府が望む近道が完成するだろうと解説。マザーランドとペトロの2軸構想は「国民の財務の完全な支配」を確保し、政府自身が「誘発する」ハイパーインフレからの「防衛策」としてペトロを蓄えるように強いるための取り組みであると主張している。