サイバーセキュリティ企業ダークトレースの公式ブログによると、他人のハードウェア上で無断で仮想通貨を採掘する「クリプトジャック」の試みが、2018年に約78%増加したという。IT系ニュースサイトのコンピューターワールドが、クリプトジャックの拡大について、3月14日にレポート記事を掲載した。

サイバー犯罪者は、金銭的な利益を目的とした攻撃では、慎重なアプローチを採用する傾向にあり、近年のクリプトジャックはその好例とされている。コンピューターワールドは、2019年もこの傾向は続いているとした。

(他人のハードウェア上で無断で仮想通貨を採掘する「クリプトジャック」の試みが、2018年に約78%増加した 出典:出典:ダークトレース公式ブログ「AI reveals 2018’s biggest cyber-threats: Part two — to err is human」)

ダークトレースの攻撃検知・収集担当ディレクターによると、ランサムウェアでの攻撃の場合、犠牲者が技術的な不手際から仮想通貨ビットコイン(BTC)による支払いを行えない可能性があるため、攻撃者にとってクリプトジャックはより良い手法だという。

この担当ディレクターは、(ランサムウェアと違い)「クリプトジャックはゆっくりと侵攻し、利益を保証する」と付け加えた。

また、ダークトレースの担当ディレクターは、犯罪者にとって、クリプトジャックは参入障壁が低い点も挙げた。例えば、クレジットカード情報を盗むなど他の方法の場合、法執行機関の追跡をかわすためにマネーロンダリングネットワークを確立する必要があり、犯罪者にとっては面倒だという。

コンピューターワールドの記事は、それら攻撃が仮想通貨モネロ(XMR)のマイニングを行っていたことを示唆している。BTCと異なり、XMRは、消費者向けのありふれたハードウェア上での動作に適しているためだ。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版
原文 https://cointelegraph.com/news/report-shows-cryptojacking-is-prime-example-of-shift-towards-discreet-cyberattacks