香港証券取引所(HKEX)がブロックチェーン企業やテック企業の買収を模索しているようだ。従来の戦略であった中国本土の取引所との連携が行き詰まっていること、米中貿易戦争への懸念などが背景にある。今後3年間かけて手数料をベースとしたビジネスモデルを大転換していくことも検討されているという。ブルームバーグが21日伝えた。
同社のチャールズ・リーCEOは、「データ分析やブロックチェーン分野における買収の可能性を含め、取引所モデルの多様化について議論するため」に、少なくとも3つの投資銀行と会談したことを情報筋が明らかにしている。
ブルームバーグは、ナスダックと香港証券取引所の収益構造の違いについて指摘。ナスダックは取引決済手数料のほか19%がデータ関連、13%がテクノロジー市場関連となっているのに対し、香港証券取引所は100%が取引決済手数料による収益となっている。いち早く古い手数料モデルからの脱却が望まれるところだ。
ただし懸念も多い。2012年に買収したロンドン金属取引所も既存のビジネスとの統合がうまくいっていないといわれ、今回の動きを懐疑的に見る声もあるようだ。