グローバルにサービス展開する仮想通貨取引所であるバイナンスは、イランに対する経済制裁にもかかわらず、イランの顧客にサービスを提供し続けたとする報道が出ている。

ロイターの調査報道によると、同社がイランを事業展開しない国のブラックリストの載せた後も、イラン国内の個人はバイナンスで取引を続けていたという。

また、イラン人による取引所の利用は、2018年に米国の経済制裁が強化された後、同国に対して行われた資本規制に違反する可能性がある。バイナンス自体はケイマン諸島で運営されており、米国企業がイランでのビジネス活動を行うことを禁止する制裁の対象にはなっていない。

しかし、バイナンスの米国を拠点とする子会社バイナンスUSは、制裁対象国でビジネスを行うこと、およびイラン人が貿易禁止を回避するための手段を提供することにより、二次的制裁を受ける可能性が出てくる。

イランのバイナンスユーザーの証言によると、登録要件が緩く、登録に必要なのはEメールのみで、簡単に口座を開設し、取引を開始することができたという。他の元トレーダーは、仮想プライベートネットワーク(VPN)やIPアドレスブロッカーを使用することで、イランでバイナンスを利用し続けた。

バイナンスは昨年末、イランにおけるマネー・ローンダリング対策(AML)と本人確認(KYC)の要件を厳格化した。コインテレグラフは、イランのユーザーからの主張の真偽について、バイナンスにコメントを求めている。