億万長者であり著名投資家のレイ・ダリオ氏は、「ビットコインについて私が本当に考えていること」というタイトルの短いエッセイを発表し、ビットコインに対する彼の見解を明らかにしている。

ダリオ氏は、メディアでの誤解を避けるために自身の見解を発表したという。ダリオ氏は、ビットコインについて希望と慎重さの両方を持っていると説明している。

まずダリオ氏はビットコインの技術的な成果について認識しており、それが10年以上続いていることは驚嘆すべきことだと述べている。

「ビットコインは1つの驚くべき発明だと思う。コンピューターでプログラムされたシステムを介した新しいタイプのマネーを発明し、約10年間機能し、新しいマネーとしても富の貯蔵庫としても人気が高まっていることは驚くべき成果だ」

さらにダリオ氏は、ビットコインは既に「金の代替資産のようなもの」であり、過剰なマネーによる法定通貨の下落のため、将来ますます重要になると考えている。

「これを構築し、この新しい種類のマネーを実現するという夢を支持した人々は、その夢を維持し、ビットコイン(それと類似した競合も)を金の代替資産のようなものに変えるという素晴らしい仕事を行った。現在、その必要性が高まっているものの、金のような代替資産はそう多くは存在しない」

ダリオ氏は、ビットコインが「投機的なアイデア」から、将来的に何らかの価値があるものへと変化していると考えている。

「ビットコインは、短期的には存在しえない非常に投機的なアイデアから、おそらく存在し続け、将来的に何らかの価値を持つものへと一線を超えることに成功したように思われる」

しかし、ビットコインに関するダリオ氏の考えは、すべてがバラ色というわけではない。ダリオ氏は、ビットコインのプライバシーの範囲は、政府がそれをどの程度プライベートにするかによって決めると考えている。

「ビットコインがデジタルであることの延長として、それがどれほどプライベートであるか、そして政府がそれを許可するか許可しないかという問題だ。プライバシーに関しては、ビットコインが一部の人々が考えるほど、プライベートなものになる可能性は低いようだ。結局のところは、それは公的な台帳だ」

なぜ政府はビットコインの使用を妨害するのか?ダリオ氏は、1694年にイングランド銀行が設立されて以来、政府が唯一のマネーの発行者になろうとするためだと述べている。

「政府がプライバシーを侵害したり、ビットコイン(およびその競合)の使用を阻止したりすることは大げさではなく、成功すればするほど、その可能性が高まるように思われる」

ダリオ氏は、政府が印刷されたマネーの代わりにビットコインを繁栄することを認めるとは考えていない。

「ビットコインの最大のリスクは成功していることではないかと思う。成功した場合、政府はビットコインを殺そうとするだろう」

最後にダリオ氏は、同氏が手掛けるヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエイツ」のスタッフに、金への投資の一部をビットコインに変更することについて検討させたことも明らかにしている。そのリポートでは、仮想通貨は急速に進化しているものの、「分散効果を提供するビットコインの能力は、現実的というよりも理論的なものである」とまとめている。