ポイント
・10.3万ドル台で動意薄く推移
・為替協議を巡るドル円の乱高下で円建て価格が振らされる
・露ウ停戦交渉とパウエル講演は期待値が低い分、ポジティブサプライズも
・ETFフロー一服も企業購入加速、株価上昇期待による参入も
昨日のBTC相場
昨日のBTC市場はもみ合い推移。
早朝に10.5万ドル(約1,545万円)にワンタッチ。海外時間に一時10.2万ドル(約1,500万円)に値を落としたが、概ね10.3万ドル(約1,515万円)台での動意の薄い展開が続いた。
BTCは4月22日に史上最高値からの半値戻しである9.2万ドルを上抜け、先週木曜から金曜にかけて10万ドルを突破すると、想定を上回る米中貿易協定を受けて月曜日には10.6万ドル手前まで上値を伸ばした。
しかし、1月30日の高値10.6万ドルを前に上値を重くすると失速。アリゾナ州知事が財政資金で戦略ビットコイン準備(SBR)を設立するSB1373に拒否権を発動したことも影響したか。
しかし、10万ドル台で切り返すと、注目のCPIが予想を下回り、またソフトバンクやテザー社が出資する21キャピタルが4.58億ドルのBTC購入を発表すると、BTCは10.5万ドルにワンタッチした。
しかし、本日(木曜日)の露ウ停戦交渉やパウエル議長講演といったイベントを控え様子見姿勢が強まる中、BTCはじりじりと10.3万ドル台に値を戻した。
すると米韓で為替について協議されたと伝わりドル円が急落。BTCも一時10.3万ドルを割ったこともあり、円建てのBTC価格は下落した。
米市場オープンに向け10.4万ドル台に値を伸ばしたが、米長期金利の上昇もあり米株が上値の重い推移をする中、再び10.3万ドルを割り込むと、その後は概ね10.3万ドル台での方向感に欠ける展開を続けている。
本日のBTC相場
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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。