ポイント
・9.3万ドルから9.8万ドル台に急騰、トレンド転換鮮明
・ニューハンプシャーSBR成立・米中交渉開始で9.7万ドル回復
・テキサスSB21進展・アリゾナHB2749成立で9.9万ドル迫る
・アリゾナSB1373への期待膨らむ(自然成立は14日午前8時)
昨日のBTC相場
昨日のBTC市場は続伸した。
一昨日9.3万ドル(約1335万円)台で反発後、未明から早朝にかけて9.5万ドル(約1365万円)近辺で推移していたが、朝方に9.7万ドル(約1395万円)台に急騰。その後は9.7万ドル近辺で横ばいだったが、朝方9.8万ドル(約1410万円)台に上値を伸ばした。
BTCは一目均衡表の雲や、史上最高値(約10.9万ドル)からの半値戻し(約9.2万ドル)を上抜け、トレンド転換を鮮明にすると、三角持ち合いをブレイクし、9.8万ドル手前まで上昇。2月中旬に3週間近くもみ合った水準に達したため一時反落したが、市場の強気なセンチメントが下値を支えた。
アリゾナ州のホッブス知事が戦略的BTC準備(SBR)法案のうち、年金資金での投資を認めるSB1025に拒否権を発動したことが上値を抑えた。さらに、フロリダ州がSBR法案を採決しないまま閉会したとThe Blockなどが報じ一時的に9.3万ドル台へ値を下げた。
しかし、ニューハンプシャー州でSBR法案が成立したニュースが伝わると、BTCは9.5万ドル台に反発。さらに、ベッセント財務長官とグリアUSTR代表がスイスで中国高官と貿易交渉を開始したと報じられると、ダブルボトムを形成し、9.7万ドル台に急騰した。米中貿易摩擦の緩和期待がリスク資産の需要を高めた。
月曜日に開けたCME先物の窓を埋めると上昇は一服し、9.7万ドルを挟んだもみ合いが続いた。注目のFOMCでは、利上げ見送りと量的引き締め(QT)緩和の不在が確認された。一時9.5万ドル台に下落したが、パウエル議長の会見が新味に欠け、米株が引けにかけて反発すると、BTCも9.7万ドル近辺に値を戻した。
その後、テキサス州のSBR法案(SB21)が上院を通過済みで、下院の委員会を通過し本会議採決を待つ状況と報じられた。さらに、アリゾナ州で未請求資産としての暗号資産準備金制度(HB2749)にホッブス知事が署名し、成立したニュースが市場を押し上げ、BTCは9.8万ドル台を突破、9.9万ドルに迫った。
本日のBTC相場
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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。