ポイント
・7.4万ドル台でダブルトップを形成し、8.3万ドル台へ
・中国以外の相互関税を90日停止、対中国は125%に上乗せ
・10年債入札も好調、今晩のCPIと30年債入札を通過すればリスクオフの巻き戻しも
・中国は国有銀行に外貨購入制限を要請、資本逃避が強まっている証拠
昨日のBTC相場
昨日、ビットコイン(BTC)相場は反発。一昨日から昨日未明にかけて8万ドル(約1,170万円)近辺から失速したが、昼過ぎに7.4万ドル(約1,080万円)台で下げ止まり、今朝未明には8.3万ドル(約1,210万円)台まで急反発した。
BTCは3月11日に7.6万ドル台から反発したが、相互関税への懸念から8.8万ドル台でダブルトップを形成。週明けにネックラインの8.1万ドルを割り込むと、7.4万ドル台まで急落し、年初来安値を更新。
月曜の米国時間にCNBCが「相互関税90日停止」と報じ、BTCは一時8.1万ドルにタッチ。しかし、すぐ否定報道が出て7.7万ドル台に下落。
昨日、USTRのグリア代表が「関税の免除は難しい」と述べ、中国向け104%の報復関税が発動と報じられると、BTCは再び失速。日本時間午後1時の相互関税発動時刻に向けて一時7.5万ドルを割り込んだ。
だが、月曜の年初来安値付近でサポートされ、Buy the Factの動きに連動し、ナスダック先物が買い戻される中、BTCもじりじりと値を戻した。
その後、米株市場オープン前後にEUが対米報復関税を発表。一方、トランプ大統領はSNSで「絶好の買い場」と投稿し、米株とBTCは一進一退の展開。
その後、トランプがSNSで「中国を除く相互関税(上乗せ分)を90日間停止」と投稿。BTCは8.1万ドル台に急騰。ダブルトップのネックラインで一時足踏みしたが、WSJが「米政府が中国との交渉に前向き」と報じ、BTCは8.3万ドル台半ばまで値を伸ばし、7.4万ドル台でダブルボトムを形成した。
本日のBTC相場
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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。