ポイント

・年初来安値更新、7.4万ドル台で下に行って来い

・Wトップのネックライン8.1万ドルで上値を押さえられる

・CNBCの誤報で一時急伸、その後も株は順調に値を戻す

・政権の株安容認発言で米株先急落も、米株は安寄り後反発しブラックマンデー回避

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は「下に行って来い」の展開。

朝方、8.1万ドル(約1180万円)を割り込むと下げ足を速め、年初来安値を更新。7.4万ドル(約1080万円)台まで値を下げたが、その後8.1万ドル台まで反発している。 

BTCは3月11日の安値7.6万ドル台から8.8万ドル台まで反発したが失速。先週月曜日に8.1万ドル近辺で切り返すと、トランプ関税発表直前に8.8万ドル台に反発した。

しかし、各国の関税水準が予想を上回ると急落し、8.1万ドル台に値を下げた。 

金曜日には中国が34%の対米報復関税を発表すると、貿易戦争再燃懸念から失速したが、8.1万ドル台で下げ渋ると、週末は8.3万ドル近辺でもみ合い推移が続いた。 

ABCニュースの朝の番組で、米国家経済会議のハセット委員長が「米株の下落は意図したものではない」と発言したものの、それ以前のトランプ大統領のSNSも併せて言及されたこともあり、政権が株安を容認しているとの見方が広がった。他市場がクローズする中、BTCに売りが集まった。 

それまでサポートだった8.1万ドルを割り込むとダブルトップが完成し、BTCは8万ドルを割り込んだ。さらにCME先物がオープンし、米株先物が大きく値を下げて始まると、BTCは7.7万ドル近辺まで値を下げた。何とか年初来安値でサポートされていたが、各市場でサーキットブレーカーが発動されるなど大混乱に陥った米株を受けて、米株先物も下落に転じると、BTCは年初来安値を割り込み、7.4万ドル台まで値を下げた。 

ちょうどこのダブルトップの倍返し、かつ昨年11月のトランプ当確後にもみ合った水準でサポートされると、米株先物の反転もあり、BTCは徐々に値を戻した。 

米州時間にCNBCがハセット氏の発言として「中国以外の相互関税の90日延期」を報じると、BTCは一時8.1万ドル台に急伸。しかし、程なくしてホワイトハウスが否定し、同社も誤報と認めると、7.7万ドル台に失速した。 

その後、トランプ大統領が中国への再報復を予告したが、悪材料出尽くし感もあり、米株が徐々に値を戻し、ナスダックは前日比プラス圏まで回復。日本株も大きく反発する中、BTCは8.1万ドル近辺まで値を戻している。 

本日のBTC相場

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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。