著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。
ポイント
・36,000ドル手前で跳ね返され、34,000ドルでサポートされる
・利上げ打ち止め観測から36,000ドルに肉薄するも失速
・雇用統計弱く、34,000ドル近辺から切り返す
・市場はやや楽観に傾いており、きっかけ次第では調整の可能性も
昨日のBTC相場
連休中のBTC相場は上下に行って来いの展開。
36,000ドル(約540万円)トライに失敗すると今度は34,000ドル(約510万円)にサポートされ、結局、(約525万円)を挟んでのもみ合い推移となった。
BTCはFOMCでの利上げ据え置きを受け、利上げ打ち止め観測が強まり、またソラナなどアルトコインに物色買いが入る中、先週前半の34,000ドル台のレンジを上抜けると10月24日に付けた年初来高値を更新し、36,000ドルに肉薄した。
しかし、例によって新値水準での戻り売りに押されると、短期勢のロングの手仕舞いなどもあり34,000ドル近辺まで値を下げた。急騰していたソラナ(SOL)の上昇が一服したことも影響したか。
注目の米雇用統計は非農業部門雇用者数が15万人増と予想の18万人増を下回り、失業率も3.9%と予想の3.8%を上回った。雇用の減速が確認されたことで利上げ打ち止め観測がさらに強まり、米10年債金利は一時4.5%を下回った。
これを受けたドル売りの流れが強まる中、BTCは上昇に転じたが、ドル円が149円台に失速した影響で、円建て価格の上昇は限定的だった。
しかし、上昇が一服したソラナに代わって、カルダノサミット2023開催中のカルダノ(ADA)や今週大型イベントSWELLを控えるXRPなどが上昇、BTCも35,000ドル台を回復、その後は35,000ドルを挟んでのもみ合い推移が続いた。
今朝方、CME先物取引開始前に34,000ドル台半ばに値を落としたが、オープン直前に35,000ドル台に切り返し、小さく窓を開けている。