著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。
ポイント
・16,000ドル台でのもみ合い
・ポーランドの爆発はウクライナの地対空ミサイルの可能性
・CoindeskやGrayscaleの兄弟会社のレンディング部門で出金停止
・業界の混乱続くが、個人投資家は意外と冷静な印象
昨日のBTC相場
昨日のBTC相場は上値の重い展開。
未明に17,000ドル(約240万円)台に乗せるも失速、昼過ぎに再び17,000ドルをトライするも失敗、結局16,000ドル台でのもみ合い推移が続いている。
FTX破綻の連鎖的影響が懸念される中、交換所トークンの下げが一服したこともありBTCは未明に17,000ドル台に乗せていたが、ポーランドにミサイルが着弾したとの報で下落した。
ウクライナもロシアからの攻撃と主張、G7/NATO首脳緊急会合が開かれるなど緊張が走ったが、一方でウクライナの対空ミサイルの可能性を指摘する声もあり、結局、バイデン大統領はロシアからの攻撃である可能性は低いとした。
これを受け、BTCは17,000ドルをトライするもあと一方届かず、下げ止まっていた交換所トークンも値を下げ始める中、BTCも下落に転じた。
アブダビで開催中のイベントで、BinanceのCZ氏が月曜日に提案した業界回復基金に投資家の関心が集まっているとしたが、同席していたGalaxy Digitalのノボグラッツ氏が最悪期はまだこれからとコメントしたことも相場の上値を重くしたか。
海外時間にはGrayscaleやCoindeskの兄弟会社Genesis Global Tradingの子会社でレンディングを行っていたGenesis Global Capitalが出金を停止、衝撃が走ったが、すぐさまGrayscaleが同社には影響はない旨公表、Galaxyなどもエクスポージャーがないことを公表、影響は限定的に止まり、BTCはじりじりと値を戻している。