著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・23,000ドルトライ

・7月FOMCでの1%利上げは見送られる公算

・PoSへの移行が9月19日に定まったETHが大きく上昇

・ETHに続き、BTCにも底打ち感が出るか

連休中のBTC相場

連休中のBTC相場は堅調な展開。

21,000ドル(約290万円)台に乗せると、22,000ドル(約305万円)も上抜け、7月8日に付けた戻り高値も更新、23,000ドルに肉薄した。

13日発表の非常に強かった米CPIを受け1%利上げ観測が出回ったが、ウォーラーFRB理事やブラード・セントルイス連銀総裁が75bp利上げを支持すると表明し、市場に俄かにリスクオンムードが流れていた。

FOMCを前にFRB高官が発言を控えるブラックアウト期間前の最終日となる15日にはボスティック・アトランタ連銀総裁も75bp利上げ支持を表明、CPI後には7割を超えていた7月FOMCでの1%利上げの織り込みが1割台に低下、米株も上昇する中、BTCは21,000ドルにワンタッチした。

その後、20,000ドル台に下押したが、PoSへの移行「マージ」の日程が9月19日に決まったことを好感してETHが1200ドル近辺から1400ドル台に急騰、BTCも21,000ドル台にしっかり乗せてきた。

月曜日のCME先物開始に向け、穴埋め方向に値を下げたが、週明けの中国株の上昇に加え、WSJが7月FOMCでの75bp利上げ観測記事を発表したこともあり、BTCは22,000ドル台に上昇した。

ETHが1500ドルにワンタッチするとBTCも23,000ドルに肉薄したが、Bloombergがアップル社の採用削減を報じたこともあり米株が値を落とす中、BTCは21,000ドル台に失速した。

今朝方ETHが1500ドル台にしっかり乗せると、BTCも22,000ドル台に値を戻している。

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。