ポートフォリオのトークン化サービスは、個人投資家が複数の仮想通貨への分散投資を行う手段として人気を集めている。個々の仮想通貨を直接保有するのではなく、仮想通貨ファンドの持ち分をトークンの形で購入できる簡便さが人気の秘密だ。

今回は、ポートフォリオのトークン化サービスの先駆けとして知られるTokenboxの共同出資者で同執行取締役を務めるVladimir Smerkis氏が、その仕組みについて詳しく話してくれた。

 1. トークン化されたポートフォリオのメリットは?

トークン化されたポートフォリオは、透明性の点で従来の投資対象よりはるかに優れている。このことはブロックチェーン技術がもたらすグローバルなメリットだ。トークン化よって、金融資産がユーザーからプラットフォームへ、あるいはその逆へ、どのように移動しているか、事後的に完全に追跡することができる。

将来的には、金融資産と実物資産とを問わず、世界のあらゆる資産がトークン化することは確実だろう。

情報のデジタル保存もまた、トークン化の重要な役立ちといえる。大量の書類にサインをしたり、契約書を銀行の貸金庫に入れておくわずらわしさから解放される。ポートフォリオマネジャーもまた、紙の契約書なしに投資家と契約を結ぶことができる。これらのトークンは『デジタルETF』として保管され、いつでも好きなときに換金できる。
そして、利益の分配計算がシンプルだ。ポートフォリオトークンの価値は、ポートフォリオ内のすべての仮想通貨の時価を、単純に投資口数で割ったものになる。

2. ポートフォリオを立ち上げるトレーダー側のメリットは?

トレーダーは自分のポートフォリオを作成し(戦略の違いごとに、複数のポートフォリオを持つこともできる)、トークンとその価値を設定する。そして、戦略の概略を投資家に説明し、自分の手数料を設定する(エントリー料、イグジット料、成果報酬)。この操作には1分もかからない。

トレーダーはプラットフォームを使うことで、出資者を容易に募集することができる。公開設定は、「公開」と「非公開」を選択することができ、知らない人からの出資を受け入れたくない場合は、ポートフォリオを隠すことができる。

スマートコントラクトにより契約が瞬時に終わるのは、先にも述べたとおりだ。

3. 個人投資家はポートフォリオの優劣をそのように判断するか?

プラットフォームの透明性と信頼性が、カギとなる。

個人投資家は、トークン化技術により、ポートフォリオが作成されて以来のすべてのトレード記録、損益を精査することができる。

プラットフォーム上では、何百人ものトレーダーが練った百花繚乱の戦略が公開されているが、それらは個人投資家が低リスクかつ多様な方法で資金を増やす可能性を提供するものである。トレードは年中無休の仕事だ。多くの個人投資家は、それを真似することはできないだろう。この問題は、個人投資家がトークン化されたポートフォリオを購入することで、一発で解決される。その際、損益の透明性は絶対条件だ。

4. 仮想通貨ファンドへの最低投資額はあるか?

私たちは、ブロックチェーンの持つリベラルなルールを、Tokenboxプラットフォームにも適用したい。

そのため、仮想通貨ファンドへの最低投資金額は20USDにおさえている。ウォレットや両替の機能については、最低利用額の制限はない。

5. 仮想通貨への投資は、個人投資家のポートフォリオの多様化に役立つか?

ここ3、4年、仮想通貨の可能性とリスクについては、状況は変わっていない。仮想通貨は大きな可能性を秘めているが、投資初心者にとってはリスクを見極めるのが難しい。実際、多くの新規参入者が20~40%のボラティリティに直面して、マージンコールを受け、最終的にすべての資金を失っている。あなたがギャンブラーではなく、合理的な投資家であるならば、仮想通貨への投資は、全金融資産の5~10%にとどめておくべきだ。仮想通貨投資は、最終的にすべての投資額を失う可能性もあることを、十分に留意して頂きたい。

だからこそ、市場調査を行う際は、多くの専門家の意見に耳を傾けることが望ましい。

プラットフォーム上のポートフォリオページにあるパフォーマンス統計を見て、じっくりと比較検討することをお薦めする。

6. トークン化されたポートフォリオを比較するとき、個人投資家は何に注目すべきか?

「言葉を信じるな。結果を信じろ」だ。仕立てのいいスーツを着て、感じの良い笑顔を見せる紳士。だが、彼がすぐれたトレーダーであるかとは、何の関係もない。

戦略。つまり、トレーダーが、どんな因果関係に着目して新しい結果を出そうとしているのか、理解する必要がある。そして、ハイリスクハイリターンなのか、ローリスクローリターンのなのかも重要だ。

統計。統計ページで、過去のパフォーマンスを調べること。注目べきは、過去の最大損失だ。

運用資産残高(AUM)と投資家数。Tokenboxのプラットフォームは、まだ始まって日が浅いので、何千人もの個人投資家を集めているポートフォリオはまだない。しかし、今後、特定のトレーダーが多くの個人投資家を集めているとするば、そのトレーダーは本当に利益をもたらしている可能性は高いといえる。

もし気が変わったら、すぐにトークンを売却すればいい。あるポートフォリオから別のポートフォリオに移行するのは、非常に容易だ。

7. Tokenboxが提供する機能にはどのようなものがあるか?

Tokenboxは、デジタル資産の「購入」「保管」「売却」「両替」および「ポートフォリオの公開」を行うためのフルサービスプラットフォームだ。唯一無二といえるプラットフォームで、誰にも真似のできないユニークなサービスを提供している。

卓抜したサポート体制も自慢だ。世界中の仮想通貨フリークのために、ユーザーフレンドリーで迅速な対応を行っている。
主な機能は次のとおりである。

  • 仮想通貨ウォレット
  • クレジットカードでの仮想通貨の購入
  • トレードのための取引ターミナル
  • 複数アカウント(サブアカウント)の提供
  • マルチポートフォリオ口座(他のユーザーからの出資を受け入れたいトレーダーのため)

8. ポートフォリオは自分で組めるのに、なぜわざわざ他人のポートフォリオを購入するのか?

その答えは、「三人寄れば文殊の知恵」ということだ。

トレンドの初動に運良く飛び乗れた、自称「プロのトレーダー」を、これまで何十人も見てきた。実際、彼らはわずか1ヵ月のうちに巨万の富を築いた。そして仮想通貨市場が一本調子に成長しているときは良かったが、その後市場が暴落したときにすべてを失った。

プロのトレーダーである以上、24時間365日オンラインでなければならない。大変な仕事といえる。しかも、トレードは心理ゲームであり、人はときとして大きなミスを犯す。
私自身、この道のプロとして自分の判断で裁量トレードを行う一方、プラットフォームトレーダーとしてポートフォリオへの投資も行っている。

9. これらのトークン化されたポートフォリオは、仮想通貨投資の初心者にも適しているか?

あなたが投資初心者なら、巨額の資金を投じる前に、まずは仮想通貨投資の雰囲気をつかむことから始めて欲しい。

あなたがもしプロの投資家ならは、オフィスにトレーディングデスクを構えるより、ファンドマネージャーを「雇った」方が、はるかに投資を多様化することができ、最終的なコストも削減できる可能性について考慮して欲しい。

トレーダーが、ユーザーフレンドリーなプラットフォーム上で、顧客と自分自身のためにポートフォリオを運用することは、あらゆる意味でWin-Winのソリューションといえるのではないだろうか。

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