仮想通貨イーサリアムで機密取引を実現する「AZTECプロト​​コル」が利用可能に【ニュース】

アステカ(Aztec)は2月1日、仮想通貨イーサリアム(ETH)用分散型アプリ(DApps)で機密トークンを利用できるようにする、ACE(アステカ・クリプトグラフィ・エンジン)を発表した。ACEは、ETHメインネット上において、すべてのACE対応機密取引(機密トランザクション)の正確性を検証するスマートコントラクトとして機能する。

発表によると、AZTECプロト​​コルは、仮想通貨ジーキャッシュ(ZEC)同様、ゼロ知識証明の1種にあたる暗号化方式zk-SNARKs技術を利用しており、すべての金額を暗号により秘匿する機密取引(データプライバシー)を実現できるという(記事掲載時点では、送付者と受信者の秘匿はしていない)。またパブリックブロックチェーン上のデジタル資産の機密トークン化も可能にするそうだ。

なおアステカは、「AZTEC SDK(ソフトウェア開発キット)」も公表しており、DApps開発者が、ビットコイン(BTC)のUTXO(未使用のトランザクションアウトプット)に該当する「AZTECノート(zkNote)」を扱う際の煩雑さを軽減している。

アステカのブログによると、記事掲載時点では、分散型金融(DeFi)プロジェクト「メーカーダオ(MakerDAO)」が発行するステーブルコイン「Dai」のプライベートバージョン「zkDai」のみサポートしているという。今後6週間以内に他のzkトークン(ERC-20規格トークンなどの機密バージョン)をリリースすること、2ヵ月以内に制限を解除し独自に機密アセットを作成できるようにすることを明らかにしている。

このほか、zk-SNARKs導入に向けて「トラステッド・セットアップ(trusted setup)」が必要となるため、安全性・信頼性の担保のためMPC(マルチパーティコンピューティング)を行うセレモニーを実施したそうだ。MPCは、多くのコンピューター(あるいは人間)で秘密情報を秘密分散(細分化・分散化)した上で、秘密分散したまま計算処理を行い、結果を得るというもの。

データプライバシー、ユーザープライバシー、コードプライバシー

プレスリリースによると、アステカの目標は、ETHブロックチェーンの特定部分を完全に隠せる「プライバシーのトリプティック(Triptych。3枚つづりの絵画などで構成した祭壇)」の提供だという。今回の発表における取り組みはデータプライバシーにあたり、次のステップは送付者と受信者の秘匿(ユーザープライバシー)としている。最終的には、スマートコントラクト自体の秘匿(コードプライバシー)を挙げている。

高速ユニバーサルSNARK「PLONK」の統合

そして、アステカのトーマス・ウォルトン・ポコックCEOは、プライバシーのトリプティックが今年早くに実現する可能性があるとコインテレグラフに明かした。

「我々の優先事項は、2020年にACEにおいてPLONK(プランク)を統合することだ。PLONKは、ザック・ウィリアムソンCTOとアリエル・ガビソンCS(チーフサイエンティスト)が開発した、高速ユニバーサルSNARKで、最終的には機密スマートコントラクトを単一のトラステッド・セットアップで実行できるようになる」


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版