米国仮想通貨業界のご意見番で投資会社モルガン・クリーク・デジタルのアンソニー・ポンプリーア氏(通称ポンプ)が、デジタルアートに大きな賭けをしていることを明かした。

9月21日のニュースレターの中でポンプは、仮想通貨ビットコイン(BTC)がほぼ全ての面で金(ゴールド)より優れているように、デジタルアートはほぼ全ての面で伝統的なアートより優れていると主張。物理的なアートは世界中で移動させるのが困難であり簡単に傷がつく可能性がある他、本物かどうかを証明するするのが難しいと述べた。

ポンプは、将来的にはデジタルアート市場が伝統的なアート市場の規模を上回るのではないかと予想している。

伝統的なアート市場

ポンプによると、伝統的なアート市場に勢いがなくなってきているわけではない。

2000年から2018年の間で伝統的なアート市場はS&P500のパフォーマンスを180%以上も上回った。世界の富裕層が、価値の保存手段やリターン、趣味や知的好奇心などを理由にアートを買い漁っている状況だ。

過去2、3年でアート市場の規模は約650億ドル(約6兆7000億円)に拡大。市場全体の約85%が米国、英国、中国が占めているという。

一方、オンラインでのアートの販売は世界で約60億ドル(約6240億円)にとどまっている。デジタルアートの市場規模に関しては1000万ドル(約10億円)に満たないという。

デジタルアートの可能性

デジタルアートは2、3のクリックで世界のどこにでも送ることができる。ダメージに対する免疫もあり、本物かどうかや起源も誰もが証明できる透明性がある。ポンプが伝統的なアートより優位性があると考える理由だ。

デジタルアートを含むNFT(ノンファンジブルトークン)のマーケットプレースであるラリブル(Rarible)の取引高は、9月に急増して500万ドル(約5億2000万円)を突破した。

ポンプは、とりわけ投資先で特に注目しているアーティストとしてFEWOCIOUS を上げている。