予測市場ポリマーケットの創業者シェイン・コプラン氏が、米国の規制禁止から制度化された金融市場への転換を象徴する存在として再び脚光を浴びている。
ブルームバーグは、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)がポリマーケットに20億ドルを投資したことを受け、コプラン氏を世界の億万長者リストに加えた。
コプラン氏は2020年、ニューヨーク大学を中退した後、21歳でポリマーケットを立ち上げた。当時はニューヨークの自宅の浴室を作業場として使っていたという。
ポリマーケットを創業する前、コプラン氏は暗号資産ステーキングプラットフォーム「Union」を手がけており、ベンチャーキャピタルから資金を調達していた。そのほかにも、在学中に複数の小規模な仮想通貨関連プロジェクトに携わっていた。彼はX(旧ツイッター)で次のように記している。
「パンデミックが始まった時、私は文字通り失うものが何もなかった。21歳、資金も尽きかけ、大学を中退してから2年半、成果もなかった。それでも“真実を見つける方法”がこれまで以上に重要になる時代が来ると確信していた。」
コプラン氏はまた、予測市場研究の先駆者である経済学者ロビン・ハンソン氏の著作に触発されてポリマーケット創業を思い立ったと述べている。
今回の契約により、コプラン氏はブルームバーグ・ビリオネア指数で追跡される「最年少の自力で億万長者となった人物」となった。
ポリマーケット、規制を乗り越え90億ドル企業へ
ICEによる20億ドルの投資後、ポリマーケットの企業評価額は90億ドルに達した。同社はかつて、米国の規制当局が仮想通貨業界を厳しく取り締まっていた時期には成功が困難とみられていた。
このプラットフォームは2022年、商品先物取引委員会(CFTC)から無登録取引所として140万ドルの罰金を科され、米国内ユーザーへの提供を禁止された。
しかし、ポリマーケットや競合のカルシ(Kalshi)などの予測市場は、2024年の米大統領選挙を機に注目を集めた。
ポリマーケットのトレーダーたちは、選挙の約1か月前にドナルド・トランプ米大統領の勝利を的確に予測し、当選確率を最大67%まで見積もっていた。
2024年11月、米連邦捜査局(FBI)は大統領選後にコプラン氏の自宅を家宅捜索した。FBIはポリマーケットが米国顧客にサービスを提供していた疑いを調査していたという。
当時、ポリマーケットの広報担当者はコインテレグラフの取材に対し、「FBIの捜査と家宅捜索は政治的動機によるものだ」と述べていた。
コプラン氏はこの件に関して次のように反論している。
「既得権層は自省すべきだ。よりビジネスやスタートアップに寛容な姿勢を取っていれば、選挙の結果も違っていたかもしれない。」
トランプ氏の当選を受け、米国での規制転換が進んだことにより、ポリマーケットの状況は一変した。同社は2025年9月、CFTCから正式に米国顧客へのサービス提供を再承認された。
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