ポーランドのオルシュティン市が、イーサリアムのブロックチェーンを利用して緊急サービスの提供を行う世界で初めての都市となったようだ。分散型台帳技術の具体的な使用事例が、また1つ加わったことになる。

同市は、ブロックチェーンを物理的な資産とつなげて警察や消防、救急車のサ-ビスを支援する、橋渡し技術の「SmartKey」の試験に成功した。

SmartKeyは、市内の救助隊が使用するスマート機器「Teltonika」とスマートコントラクトとをつなぐことで、救助隊の業務効率を向上させることができるという。そのような連繋により、緊急救助隊は鍵の所有者を追跡したり、許可を待ったりすることなく、市内のどんな建物にも入れるようになる。

オルシュティン市があるヴァルミア₌マズールィ県のグスタフ・マレク・ブレジン知事は以下のようなコメントを出している。

「われわれの緊急サービスには妨げなく業務を遂行できる必要性があり、それは繊細な問題だ。ブロックチェーンとSmartKeyテクノロジーの利用は理想的なソリューションのように思える。建物のオーナーや住人を安心させるだけでなく、われわれの緊急サービスに行動の自由が与えられる」

SmartKeyは、ブロックチェーン技術によってスマートシティ発展の基礎を築くことができると考えている。定義は様々だが、「スマートシティ」とは、新しいテクノロジーやセンサーを使ってデータ収集を行う都市エリアを意味する。収集されたデータは、資産やリソース、サービスの利用効率を上げるのに利用できる。スマートシティは枠組みとして、持続可能性や経済発展に関する他の理論に取り入れることができる。

モノのインターネット(IoT)は未来のスマートシティに大きな影響を及ぼす可能性がある。接続機器は、今後10年間において最大の成長機会の1つをもたらすと考えられている。例えば世界経済フォーラムは、IoTについて、特にコロナ後の「都市変容」の重要な柱と見ている。いくつかの仮想通貨プロジェクト(IOTAなど)はIoTとの連携を目指している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン