ポーランド最大の銀行、PKOバンク・ポルスキは、顧客向け文書のためにブロックチェーン技術を導入することを検討している。このほど英国のフィンテック企業のコインファーム社と提携し、「近い将来に」システムを立ち上げると発表した。

PKOバンク・ポルスキは、顧客データのセキュリティ強化の一環として、約500万人の口座保有者向け文書にブロックチェーンを利用する。例えば顧客が銀行からの文書を閲覧する際により簡単な認証で行うことが可能になるという。

「ブロックチェーンは、ポーランドの銀行部門の競争力を高める大きな可能性を秘めている」と、PKOバンクのアダム・マルシニアック副社長はコメントしている。同技術への期待感を次のように述べている。

「(ブロックチェーン技術は)比較的新しい技術であり、今後さらに多くのアプリケーションが世界中で発見されていくことになるだろう」

ブロックチェーン技術を活用する計画は、EUの第2次決済サービス指令(PSD2)の適用開始に合わせ、3月時点から浮上していたという。

今回のPKOバンクの動きは、ポーランドの銀行業界の中でも際立ったものだ。ポーランドの銀行業界では、仮想通貨に対して未だ敵対的な姿勢を崩していないからだ。

英コインファーム社のパウエル・クスコウスキーCEOは、「ポーランドの金融業界は革新への道を切り開き、国際的トレンドに乗り出したばかりだ」と語っている。

今年5月にPKOバンクは、ブロックチェーンなどの技術導入に向けフィンテック系スタートアップとの関係構築に動きだしている。有望なスタートアップと提携し、新しいソリューションの実証実験などを実施していくという。