ペイパルは、米国証券取引委員会に提出した四半期報告書で、自社の仮想通貨保有額を公開した。

報告書によると2023年3月31日時点で、合計9億4300万ドルの仮想通貨を保有している。これは、前四半期に6億400万ドルと発表された数値から56%増となる。

四半期末でのペイパルの全財務債務は12億ドルで、そのうち仮想通貨が占める割合は77.9%。これは、2022年第4四半期報告時の割合から10ポイント以上増加している。

報告書によると、ペイパルは仮想通貨を「保全負債」であると位置づけ、仮想通貨に特有の「ユニークなリスク」によるものとしている。また、同社が保有する特定の仮想通貨は前四半期から変わっていないとのことだ。

「特定の市場でのお客様に、ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、ライトコインの購入、保有、売却、受け取り、送金、そして売却から得た資金をチェックアウト時に使用する機能を提供している」

ペイパルが顧客のために保有する資産のカストディは、第三者の保有企業に限定されている。ペイパルは、第三者が取引を処理できない場合に顧客にとって負担となることを認識しているが、まだそのような問題は発生していないと報告している。

「2023年3月31日現在、当社は保全損失イベントを一切経験しておらず、したがって、仮想通貨の保全負債と対応する保全資産は同じ価値で記録されている」

2023年第1四半期におけるペイパルの仮想通貨資産の内訳は、ビットコインが4億9900万ドル(前年12月比2億800万ドル増)、ETHが3億6200万ドル(同1億1200万ドル増)、ビットコインキャッシュとライトコインが合計で8200万ドル(同1900万ドル増)となっている。

Screenshot of PayPal’s quarterly financial disclosure.

また、ペイパルの利益も第1四半期に向上した。米国会計基準(GAAP)に基づくと、一株当たりの利益は0.70ドルで、2022年第一四半期の0.43ドルから増加している。非GAAPベースでは、一株当たりの利益は1.17ドルで、2022年第一四半期の0.88ドルから増加している。