ペイパルは、ノンファンジブルトークン(NFT)の購入および転送システムの特許申請を行うことで、独自のブロックチェーンエコシステムの構築に向けて大きな進展を遂げている。3月に提出され、9月21日に公開されたこの申請は、オンチェーンおよびオフチェーンの両方でNFTとの取引を行う手段だ。

特許申請は審査中であり、ユーザーがサードパーティのサービスプロバイダーを通じてNFTを購入および販売できるシステムのようだ。プロバイダーは明示されていないが、テキスト内でイーサリアムが言及されている。

ペイパルは、NFTを単なる電子コレクタブルを取引するという行為以上のものとして捉えている。

「NFTは分散型ブロックチェーン台帳を使用して追跡できる、あらゆるユニークなデジタルデータを代表するものだ。例としてデジタル画像、動画、音楽、その他のデジタルアート、財産の権利証、イベントチケット、法的文書など、実際のアイテムも含まれる」

提案されているシステムは多様にカスタマイズが可能で、例えばガバナンストークンの配布を通じた分割購入が考慮されている。さらに、サービスプロバイダーと連携する分散型自律組織(DAO)が、特定のプラットフォームを活用してNFTの取引活動を活性化する役割を果たす可能性がある」としている。NFTは著作権ロイヤリティからの収入の獲得も可能だ。

Schematic of an off-chain NFT trade, as proposed by PayPal. Source: USPTO

サービスプロバイダーによる処理には、コンプライアンスおよびリスク管理が含まれる。ユーザーは自身のデジタルウォレットを所有することができるが、必須ではない。代替として、第三者のブローカーが様々な保管および決済サービスを提供することも可能。オフチェーン取引は、サービスプロバイダーと関連する“オムニバスウォレット”内で処理されることができ、購入者と売り手の両方のウォレットがその中に収められる。

「そのため、ブロックチェーン上での転送が必要なく、ブロックチェーンネットワークへの取引のブロードキャストや、そのようなオンチェーン取引に関連するガス代の支払いも必要ない」

申請によれば、システムには任意の通貨が使用される可能性がある。ペイパルは、8月にイーサリアム上で構築された独自のステーブルコイン、ペイパルUSD(PYUSD)を導入した。