米決済大手ペイパルのダニエル・シェルマルCEOが、米メディア「フォーチュン」のインタビューに答え、自身がビットコインを持っていること、そしてリブラ脱退の理由について語った。シェルマンCEOは将来的に「リブラと一緒に働く方法がある」と語り、フェイスブック主導の仮想通貨と協力する可能性にも言及した。

シェルマン氏は、ペイパル自身もブロックチェーンの可能性に注目していると語り、リブラの「金融包摂」という理念に共感していると述べた。

しかし、「リブラに対してリソースのすべてを投入するよりも、迅速に金融包摂を進めることができる」と判断したという。

世界各国の規制当局の頑迷な態度に驚いたのか、という質問に対しては、シェルマン氏は「規制とコンプライアンスは私たちにとって基本的なことだ」とし、特段驚くものではなかったと語った。

シェルマン氏は、今後もリブラの動向については大きな関心を持って見ていくと述べ、将来的に協力する可能性も示唆した。

「ひどい離婚ではなかった。…将来、私たちが一緒に働くことができる方法があるだろう。彼らの幸運を祈っている」

ちなみにフェイスブックのリブラプロジェクトの責任者であるデビッド・マーカス氏は、かつてペイパルの社長を務めていた。

ブロックチェーンのメリットは効率性ではない

シェルマン氏は「現在のシステムは非常に効率的だ」とした上で、ブロックチェーン導入のメリットが効率性だという意見には同意しない考えを示した。その上で、ブロックチェーンのメリットは、アイデンティティに関するものだと強調する。

また仮想通貨については、ボラティリティが大きいことから、一般の事業者が支払い手段として採用するのは難しいとの考えを示した。仮想通貨は現状では、「現金」よりも「商品(コモディティ)」としての要素が強いと指摘した。

持っているのはビットコインだけ

最後にシェルマン氏は、個人的にビットコインを持っていることを明かした。ほかの通貨は持ってなく、ビットコインのみだという。