「Ledgerのハードウェアウォレットは私の仮想通貨の秘密鍵を保管する上で素晴らしい手段ではあるけど、もしLedgerが破綻したらどうなるの?私の仮想通貨はなくなってしまうの?」

FTX破綻後の困難な時期において、Ledgerは上記のような質問をよく耳にする。結論から言うと、答えは「No」だ。「あなたは1ペニーたりとも失うことはありません」。

しかしあなたは疑問を持つかもしれない。

「では私の仮想通貨はどこにあることになるのか?」

そもそも仮想通貨を保有するとは、仮想通貨を使う権利を保有することを意味する。あなたの仮想通貨は、秘密鍵と公開鍵という2つの鍵に関連づけられている。

公開鍵は郵便受けと考えて良い。秘密鍵があなたの仮想通貨に対してアクセスを与えるものだ。本物の鍵のように、他の誰かにコピーを上げるようなものではない。誰も知らない安全な場所に保管しなければならないのだ。

仮想通貨はブロックチェーン上に存在し、その仮想通貨にアクセスするための鍵の保管場所は、あなたが決められる。仮想通貨自体が、どこかのデバイスやプラットフォームに直接的に存在するというわけではない。あなたのウォレットは、あなたの秘密鍵を保管して保護する。

ハードウェアウォレットはなぜ必要か?

では、もう一度、上記の質問に戻りましょう。

「OK。Ledgerは素晴らしい。秘密鍵を安全に保管してくれる。しかし、もしLedgerが破綻したらどうするのか?私の仮想通貨はなくなるのか?」

いいえ。たとえLedgerを使って秘密鍵を保管していたとしても、あなたはLedgerを使ってあなたの仮想通貨にアクセスしているわけではありません。

だからFTX破綻後、Ledgerの売り上げは急増した。Ledger社自体があなたの秘密鍵を保管しているわけではないからだ。サードパーティーのリスクはないのだ。

Ledgerは、秘密鍵が特定のデバイスに保管される閉鎖的なシステムを採用していない。これは業界スタンダードのBIP-39と呼ばれている。仮想通貨ウォレット業者に対して、緊急時に同じバックアップを使わせる仕組みだ。

つまり、Ledgerのウォレットを紛失しても、Ledgerが倒産しても、リカバリーフレーズ(秘密鍵を読みやすい形で書き直したもの)さえ持っていれば、他のウォレットを使って仮想通貨にアクセスできる。

Ledgerなどハードウェアウォレットを使っているからといって、Ledger社があなたの仮想通貨にアクセスできるわけではない。ハードウェアウォレットは、あなたが仮想通貨への所有権を失わないように細心の注意を払って作られている。

これこそ、経済的な自由と呼べるだろう。

 

著者 Ledger

プロフィール:2014年に誕生した仮想通貨のハードウェアウォレットの会社。拠点はフランスにあり、現在はLedger Nano XとLedger Nano S+、Ledger Nano Sという3種類のハードウェアウォレットを製造・販売している。Ledger Nano S +は2022年4月4日発売の最新作。Ledger Nanoシリーズに接続して使うソフトウェアであるLedger Liveを、全ての仮想通貨サービスが1箇所に集まるプラットフォーム、いわば「Web3.0のハブ」にすることを目指している。公式サイト:https://www.ledger.com/ja