ネットワークステーツ(Network States)が話題になっている。コインベースの元CEOであるバラジ・スリニバサン氏が立ち上げた実験的なプロジェクトだ。ブロックチェーン基盤の仮想国家だが、どうなるだろうか。

ネットワークステーツの未来?

バラジにとって、ネットワークステーツは単に国家の次の姿を表しているわけではない。それは「倫理面での革命」であり「国に対する意識と創設者になるという意識」を持つことであり、スマートコントラクトで管理される世界だ。

具体的には、参加者は「サブスク市民( subscriber citizens)」と位置付けられ、彼らの行動履歴は全てブロックチェーンに記録され、IDや保険、支払い情報、所有権などが全てスマートコントラクトで管理されている。すべての記録を保管することで、「歴史を書く時代の始まり」とバラジは呼んでいる。ブロックチェーンが改ざん不可能な歴史を作り上げることができるというわけだ。

ネットワークステーツへの賛同者は少なくない。例えば、ヴィタリック・ブテリン氏は、ブロックチェーン基盤の都市構想に賛同し、仮想通貨がトレード目的以外で「より大きな政治的な意味を持つ試み」と呼んだ。「より多くの公共財とより少ないjpeg」を業界が目指すべきだと付け足した。

ネットワークステーツの基盤は既に存在している。ソーシャルネットワークと呼ばれるデジタルのコミュニティだ。現在、ガバナンス機能が欠落している。将来、Web3コミュニティ構築の勢いは、国づくりのそれより強くなるかもしれない。Web3ゲーム企業Moonstream.toのNeeraj Kashyapは、国家よりネットワークステーツが強固なものになるだろうと予言した。

仮想通貨の物語は、お金儲けだけでは終わらない。時間と共に、我々の分散型の精神を体現する試みを目撃するだろう。ブテリンが言うように、「我々は新しい通貨を作った。ネットワークステーツは新しい都市と国を始める試みだ」。

 

著者 Ledger

プロフィール:2014年に誕生した仮想通貨のハードウェアウォレットの会社。拠点はフランスにあり、現在はLedger Nano XとLedger Nano S+、Ledger Nano Sという3種類のハードウェアウォレットを製造・販売している。Ledger Nano S +は2022年4月4日発売の最新作。Ledger Nanoシリーズに接続して使うソフトウェアであるLedger Liveを、全ての仮想通貨サービスが1箇所に集まるプラットフォーム、いわば「Web3.0のハブ」にすることを目指している。公式サイト:https://www.ledger.com/ja