多数のアカデミー賞のノミネート経験を持つケイト・ウィンスレットさんが、出資金詐欺として悪名高いワンコイン(Onecoin)題材の映画の主演に抜擢されたことがわかった。

デッドラインによると、ウィンスレットさんが出演する映画プロジェクト「フェイク!(Fake!)」は、ジェン・マクアダム氏とダグラス・トンプソン氏のが執筆する原作によるもの。マクアダム氏はワンコイン詐欺スキームの被害者の一人だ。

脚本はスコット・Z・バーンズ氏が担当。同氏は9・11後のブッシュ政権下でのCIAによる拷問と、オバマ政権下での調査を描いた「ザ・レポート」や、感染症の脅威とパニックを描いたスリラー映画「コンテイジョン」など多数のヒット作を執筆した脚本家として知られる。

「フェイク!」は今年のフランクフルト・ブックフェアに向けて、出版の準備が進められている。

ワンコインは2014年にブルガリアのルジャ・イグナトバ氏によって設立された。「ねずみ講」のようなシステムで、高配当をうたい投資する人間を集めていた。ワンコインはブロックチェーンに裏付けられていないにも関わらず、「ネクスト・ビットコイン」などと謳い、世界中から投資を集めており、2014年から16年にかけて、33億5300万ユーロ(約3960億円)を集めたとされる。

ワンコインの被害者サポートグループを立ち上げたマクアダム氏は自身は、彼女と、彼女の友人や家族が25万ユーロ以上(約3100万円)失ったとコインテレグラフに対して語っている。マクアダム氏はワンコインのSQlサーバーがブロックチェーンではなく、仮想通貨を作成できないことに気づいたのは2017年1月だったという。

「ワンコインに投資した数ヶ月後、ワンコインは銀行アカウントを閉じ、新しいアカウントを開くということが頻繁に起こるようになった。これは私の懸念の始まりに過ぎなかった。2017年1月までに、私はワンコインが本当に凶悪で残酷な世界的な仮想通貨詐欺以外の何物でもなかったことに気付いた。最終的にワンコインのリーダーの1人が私にボイスメールを残し、ワンコインのブロックチェーンはSQLサーバーであると述べた。その時、私が持っていたすべてのレッドフラッグが壊滅的な現実に変わったのだ。」

イグナトワ氏は5月7日に有線通信不正行為、証券詐欺、マネーロンダリングで起訴されたが、2017年以降は姿を見せていない。彼女の弟でワンコインの幹部であるコンスタンチン・イグナトワ氏も3月に同様の罪で起訴されている。彼はその後、妹に対して証言することに同意している。

投資家は、最大50億ドルの損失を主張してワンコインを詐欺で訴えている。首謀者の1人であるコンスタンティン・イグナトフ被告は、同詐欺に関与した罪状を認めたと報じられている

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン