仮想通貨取引所OKXは、欧州連合(EU)の規制要件を遵守するために、マルタを暗号資産市場(MiCA)規制の拠点とすることを発表した。
発表によると、マルタには「高い規制基準」があり、OKXはの既存チームとインフラがあることから拠点として選んだという。
OKXヨーロッパのゼネラルマネージャーであるエラルド・グース氏は、コインテレグラフに対し、同社が2021年からマルタで「VFAクラス4ライセンス」を取得していることを理由に挙げた。
グース氏は「MiCAは27のEU加盟国および3つの追加EEA(欧州経済領域)加盟国全体で仮想通貨規制を統一する」と話す。「OKXはマルタに完全に運営されているチームを持ち、現地のコンプライアンス、リスク、法務、財務、および上級管理チームがいる。MiCAの実施に備え、マルタをMiCA拠点として選び、MiCAが施行されるとEUユーザーに規制された暗号資産へのアクセスを提供できるようにする」と語った。
発表では、マルタは「包括的な規制アプローチ」により、OKXがEUに拠点を置く顧客にサービスを提供するための「理想的な拠点」としている。
法定通貨とステーブルコインの取引
OKXは、OKコイン・ヨーロッパ・リミテッドを通じてユーロおよびサークルのUSDコイン(USDC)を含むスポット取引をEU居住者に提供する計画だ。OKXはまた、MiCAが12月30日に完全に施行された後、EU居住者にステーキングサービスやその他の取引オプションを提供するという。
グース氏は、「我々はユーザー体験に強く焦点を当てており、製品とサービスを地域社会に合わせてローカライズしたい」と述べた。
またOKXはEUでのローカライズされた体験を構築し続け、月次の準備金証明を公開することでセキュリティと透明性を提供することを約束している。
ナイジェリアからは撤退
一方でOKXは17日、「現地の法律および規制」の変更によりナイジェリアから撤退し、顧客サービスを停止することを発表している。ユーザーは8月16日までにプラットフォームにアクセスでき、その後は資金を引き出すか、取引所でのポジションを閉じることしかできなくなる。
OKXは2024年5月に規制上の懸念を理由にナイラの引き出しを停止したが、これはナイジェリア政府がバイナンスを同国の法定通貨操作、マネーロンダリング、税金回避のスキームで告発したことを受けたものだ。