仮想通貨取引所OKXは、利用者が分散型アプリケーションとやり取りする際の低料金と相互運用性を提供するため、イーサリアムベースのレイヤー2ネットワークを立ち上げた。

OKXは4月15日、ゼロ知識証明を活用したネットワーク「X Layer」のパブリックメインネットを開始した。このネットワークはポリゴンのチェーン開発キット(CDK)を使用して構築され、イーサリアムのスケーリングプロトコルのアグリゲーションレイヤーを使用して、複数のブロックチェーンネットワーク間での状態と流動性を共有する。

発表によると、X Layerはオンチェーンアプリケーションとのやり取りにおいて、より速く、より安価なトランザクション機能を提供する。このネットワークはゼロ知識証明を使用している。これは様々なイーサリアムレイヤー2ネットワークでセキュリティとスケーラビリティを向上させるために使用される基盤技術だ。

X LayerはEVM互換であり、開発者は基盤となるコードを書き換えることなく、イーサリアムベースの分散型アプリ(DApps)を立ち上げたり、移行させたりすることができる。OKXの最高マーケティング責任者のハイダー・ラフィーク氏は、相互接続されたWeb3エコシステムのための不可欠なインフラとなるレイヤー2ネットワークを構築していると語っている。「強力なコミュニティと他のイーサリアムベースのネットワークとの接続性のおかげで、X Layerは無限の可能性を秘めている」。

OKXは2023年11月にX Layerのメインネットのベータ版を立ち上げ、50以上のWeb3 DAppsがテストネットでの立ち上げに参加した。OKXによると、グラフ、カーブ、レイヤーゼロ、クイックスワップ、ギャラクシー、タイムスワップなどのDAppsがX Layerに展開している。

X LayerはOKXの利用者が資産を転送し、仮想通貨の入出金を行い、トークンスワップ、ステーキング、スマートコントラクト機能を提供する200近いDAppsにアクセスできるようにする。OKXのネイティブトークンであるOKBは、X Layerのネイティブトークンとして機能し、ネットワーク上でのガス料金の支払いに使用される。

ポリゴンCDKは、OKX、X Layer、およびポリゴンのAggLayerに接続された他のチェーンに相互利益をもたらすとされている。X Layerは実質的にポリゴンCDKで構築された他のチェーンにAggLayerを介して接続し、これらのチェーン間での流動性の移行を可能にするという。

ポリゴンのマーク・ボイロンCEOによると、これにより異なるブロックチェーンプロトコル間での流動性の相互接続ネットワークが形成される。「X LayerのAggLayerへの接続は、AggLayer上のチェーン間での流動性とユーザーの断片化を解消し、すべてが一緒に成長できるようにする。OKXの5000万ユーザーは、X LayerとAggLayerに接続された他のチェーンへのオンボーディングが容易になる」とボイロンはのべた。

イーサリアムのレイヤー2ネットワークは、低料金、安全かつ分散化された取引とアプリケーションを支える上で不可欠となっており、イーサリアムのスケールを達成するのをサポートしている。