アービトラムの主要開発企業であるオフチェーン・ラボは、ARBトークンを追加購入した。セクター全体のセンチメントが弱含み、ガバナンストークン価格が継続的に圧迫される局面において、同社がネットワークに対する長期的な確信を示した形だ。
今週、Xへの投稿でオフチェーン・ラボは、「意味のある形でアービトラムのエコシステムを成長させることに引き続きコミットしている」と述べ、承認済みの購入計画に基づき、アービトラム(ARB)への直接的なエクスポージャーを拡大したと明らかにした。
同社は、この動きについて、あらゆる側面でアービトラムの開発に一段と注力していく意向を反映したものだと説明している。

アービトラムは、取引をオフチェーンで処理し、その後イーサリアム上で決済することで、取引速度の向上と手数料の削減を目的としたイーサリアムのレイヤー2スケーリングネットワークである。オプティミスティック・ロールアップと呼ばれる手法を用い、取引をまとめて処理し、異議が唱えられない限り有効と仮定することで、イーサリアムのセキュリティを活用しつつコストを抑えている。
仮想通貨業界全体では、中核的な貢献者や初期ステークホルダーがガバナンストークンへのエクスポージャーを減らしているのではないかとの懸念が広がっており、そうした中でオフチェーン・ラボの姿勢は注目される。
アービトラムにおいて、ARBは主にガバナンス資産として機能し、ネットワークのアップグレード、資金配分、エコシステム戦略に関する提案に対する投票権を保有者に付与している。すべての収益はオンチェーンで、トークン保有者が管理するトレジャリーウォレットに流入する仕組みとなっている。

アービトラム、DeFi市場のシェアを巡り競争
今回の動きは、アービトラム・ネットワークが近く複数の重要なマイルストーンを達成した中で明らかになったもので、同ネットワークの規模と活動の拡大を示している。
アービトラムによると、主要なイーサリアム・レイヤー2ロールアップであるアービトラム・ワンでは、累計取引件数が21億件を超えた。アービトラム・ワンは、ユーザー活動とDeFiアプリケーションの大半が集中する中核チェーンである。
また、アービトラムは2025年に、総担保価値が200億ドルに達したとも報告しており、市場シェアの面で最大のイーサリアム・レイヤー2としての地位を維持している。
これに対し、オプティミズムやベースといった競合レイヤー2は、アプリケーション活動が力強く成長しているものの、担保価値の水準は総じて低いとされる。

これらの競合は、約680億ドル規模とされるイーサリアムのDeFi市場のシェアを巡って競争しており、特にアービトラムとオプティミズムでは、そのアプローチに違いがみられる。
一方、ベースにはネイティブトークンが存在しないが、将来的に導入される可能性について、市場では憶測が続いている。
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