仮想通貨投資事業を手がけるニューヨーク・デジタル・インベストメント・グループ(New York Digital Investment Group, NYDIG)はビットコインETF(上場投資信託)立ち上げに向けて、米証券取引委員会(SEC)に書類を提出したことを明らかにした。
NYDIGは16日、ビットコインETFのための申請書であるフォームS-1をSECに提出。この書類には「NYDIG ビットコインETF」のカストディアンとしてNYDIGトラストが、モルガン・スタンレーが指定参加者と記載さえている。認可されれば、米国の電子取引所「NYSE Arca」で取引される。ティッカーシンボルは未定。
指定参加者は、ETFの運用企業と直接取引を行い、ファンドの資産や需要と供給、市場状況を反映した価格でビットコインETFを一般に販売することが期待される。発行市場でビットコインを用いてETFを購入する。目論見書でも「当信託はビットコインを保有する」としている。
今回申請されたビットコインETFは、ビットコイン価格から信託の運営費用を差し引いたパフォーマンスを反映する。いかなるベンチマークやインデックスにも連動しないという。
NYDIGはこれまで、ビットコインなど仮想通貨を多くの機関投資家向けに提供するために活動を続けている。2020年11月と12月には異なる仮想通貨ファンドを通じて1億5000万ドルを調達。さらに2018年にはニューヨーク州金融サービス局からビットライセンスを取得している。ニューヨーク州は米国内でも最も規制が厳格なことで知られており、仮想通貨交換業を可能にするビットライセンス取得は、こうした規制をクリアしたことを当局が認めた証だ。
またNYDIGの親会社であるストーンリッジ社はビットコインの多額の機関投資家としても知られている。
米国では現在、ヴァンエックやヴァルキリー・デジタル・アセットなどもビットコインETFを申請しているが、承認された例は出てきていない。
一方で既報のように、カナダでは相次いでビットコインETFが承認されており、潮目は変わってきていると言えそうだ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン