米ヘッジファンド業界の巨頭、マイク・ノボグラッツ氏が11月に仮想通貨ビットコイン(BTC)が暴落した理由について分析した。米国証券取引委員会(SEC)によるイニシャル・パブリック・オファリング(ICO)取り締まり強化などを下落要因に挙げつつも、崩れたのはあくまで個人投資家であって、マイナスが続くのはあくまで機関投資家が本格的に参入するまでの間という強気な見方を示した。

ブルームバーグによると、同氏はCEOを務める仮想通貨投資会社のギャラクシー・デジタルのカンファレンス・コールで、11月の仮想通貨相場暴落の一因は、SECがいくつかの詐欺的なICOに対して規制を強化した結果だと解説。次のように述べた。

「SECは単に厳しくなったのではなく、ほとんどのケースで個人投資家にも賠償金が課せられる可能性を指摘した。だから人々はかなり神経質になった」

ギャラクシーデジタルは先日、トレーディン部門において今年9カ月間で1億3600万ドルの損失を出したと報じられていた。SECは先月16日、トークンセールの登録を怠ったとして「初めて」民事罰を2つのイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に対して科したと発表。その後、ビットコインを始め仮想通貨相場の急落に歯止めがかからなくなっていた。

ただノボグラッツ 氏は、SECなどのルールがはっきりすることで逆に機関投資家の参入が容易になることを期待した。

「聞いてくれ。個人投資家によるバブルがあったのは否定できない。去年12月と1月に生まれた熱狂だ。(中略)我々は現在転換期にある。機関投資家の間での普及待ちだ

同氏は、機関投資家の間で普及が始まるまでビットコインは「3000ドルから6000ドルのレンジで動く」と予想。現在機関投資家の中でも注目されているのは、ニューヨーク証券取引所の親会社インターコンチネンタル取引所が始めたバックトとウォール街の大手金融機関であるフィデリティの動向だ。フィデリティは10月ヘッジファンドや基金などを対象に、仮想通貨の保管(カストディ)や複数取引所における取引をサポートすると発表。バックトは今年1月24日に先物取引を開始する予定だ。

ノボグラッツ 氏は、とりわけ「Eゲーム」の分野に大きく投資しているとし、「(仮想通貨は)2019年と2020年に大きな普及を遂げる」と強気な見方を示した。

ヘッジファンド巨頭の計算ミス

ノボグラッツ氏は、強気一辺倒ではなく、計算違いだった点についても振り返った。同氏は、ギャラクシー・デジタルの損失の大半がICOビジネスによるものであるほか、トレーディング部門の売上高が安定しなかったことについて「我々の予想が間違っていた」と認めた。また、「規制面と技術面で正しい仕組みを導入することが思ったより難しかった」と述べた。

コインテレグラフのLINE@アカウントができました!
毎日の仮想通貨ニュースまとめをLINEで配信してます!
こちらから登録してください!https://t.co/r9ZlA6PaWc pic.twitter.com/R9ovDWCw79

— コインテレグラフ⚡仮想通貨ニュース (@JpCointelegraph) 2018年10月31日