世界的な資産運用大手のノーザン・トラスト(ナスダック:NTRS)が19日、監査法人がプライベート・エクイティのブロックチェーンに保管されているファンドデータにアクセスし、特定の事象をリアルタイムで監査できるようになったと公式声明で明らかにした。

 ノーザン・トラストは先月21日、プライベート・エクイティにブロックチェーン技術を初めて導入し、透明性の高い分散型台帳技術(DLT)のプラットフォーム上で、限られた数のクライアントが所有株式を管理できるシステムを開発した。現在、監査法人は独自のブロックチェーンのノードを持ち、関連のあるファンドデータへのアクセスを管理することで、リアルタイムの監査が可能だという。

 PwCとの共同開発により実現した今回の最新技術により、プライベート・エクイティのライフサイクルイベントの安全なゴールデンコピーに即時にアクセスできるようになった。発表によると、システム内でのトランザクションの透明性が増すことで、監査法人がより効率的に監査が行えるようになるという。

 ノーザン・トラストのブロックチェーン・ソリューションは、オープンソースのリナックスファウンデーションのハイパーレジャー・ファブリックをベースにしており、IBMのブロックチェーン・プラットフォームを使用し、安全で拡張性の高いトランザクションを提供できる。

 ブロックチェーン技術は世界中のさまざまな企業や機関に広く受け入れられており、情報交換の効率性、安全性、スピードを向上させるために活用されている。バーチャルクリニックのトラステッドヘルスは19日、ブロックチェーン技術を導入した医師の遠隔診療サービスを発表した。カナダの大手銀行は15日、ブロックチェーンにより信用評価の透明性を高める技術の特許を申請した。

 中国の政府系投資団体の中国投資協会(IAC)は14日、「国際ブロックチェーン投資開発センター」の設立に関する文書の内容を認めた。同センターは業界基準や、ブロックチェーンの投資アライアンスや投資ファンドの導入を目指している。