南米ベネズエラの人権活動家で反体制派指導者のマリア・コリーナ・マチャド氏が、2025年のノーベル平和賞を受賞した。マチャド氏は、同国での民主主義推進に貢献したほか、ビットコイン(BTC)を「ベネズエラ国民の命綱」と呼び、自由を守る技術として評価してきた人物だ。

「ビットコインは自由のためのテクノロジー」

マチャド氏は2024年、非営利団体ヒューマン・ライツ・ファウンデーションの最高戦略責任者アレックス・グラッドスティーン氏とのインタビューで、ビットコインを自由のためのテクノロジーと称賛した。

「ハイパーインフレーションの中で、ベネズエラの人々はビットコインに命綱を見出した。資産を守り、国外脱出の資金を得るために使った。今日では、ビットコインは政府が課す為替レートを回避し、多くの人々を助けている。人道支援のためのツールから、国家に抵抗するための重要な手段へと進化を遂げた」

さらに同氏は「ベネズエラの最も貧しい人々を救う唯一の方法は、財産権の保障、低インフレ、平等な機会へのアクセス、そして透明な政府を確立することだ」と続けた。

一方で、マチャド氏が率いる野党運動については「外国勢力の影響下にある」と批判する声もある。ニューヨーク・タイムズによると、2025年5月にはベネズエラの野党指導者5名が米国のルビオ国務長官と会談し、政権交代の戦略について協議したとされる。

抵抗手段としてのP2P技術

ハイパーインフレや厳しい資本規制に直面する国々では、政治活動家や抵抗運動、そして一般市民が国家の通貨支配を回避する手段としてビットコインを利用するケースが増えている。

ビットコインのピア・ツー・ピア(P2P)技術は、国家権力による資産凍結や検閲に対抗する「自由のためのツール」として機能している。

2022年、カナダ政府による新型コロナ規制に抗議したトラック運転手の車列デモでは、政府が資金提供元や銀行口座を凍結したことを受け、デモ参加者がビットコインを利用した。

CBCニュースによると、カナダ政府は中央集権的な経路を通じて送金された約5BTCを押収することに成功したが、P2P経由で送金された20BTC以上は押収できなかった。その後、カナダの連邦裁判所は政府による口座凍結を「違憲」と判断している。

ネパールの抗議者は「ビットチャット」で通信遮断を突破

2025年9月、ネパールでは政府がソーシャルメディアを遮断する中、抗議者たちがジャック・ドーシー氏の開発したアプリ「ビットチャット」を利用して通信網を維持した

ビットチャットは、Bluetooth接続を利用してスマートフォン同士を中継ノード化し、インターネットに依存しない暗号化メッシュネットワークを構築する仕組みだ。そのため、完全なインターネット遮断下でも通信が可能であり、国家による検閲を回避する新たな抵抗ツールとして注目を集めている。

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