FTXの元エンジニアリング ディレク ターのニシャド・シン氏は、元CEOのサム・バンクマン-フリード氏(SBF)が、アラメダリサーチによる買収を単独で決定していたと、ニューヨークの法廷で証言した。

10月16日のSBF氏の刑事裁判のシン氏の証言によると、キャロライン・エリソン氏とサム・トラブッコ氏の両名が共同CEOとしてアラメダを率いていたが、バンクマン-フリード氏が最終的には会社をコントロールしていたという。シン氏は、 「SBFは一方的にアラメダの資金を使っていた」と証言したという。またSBF氏はエリソン氏を解雇するとも脅していたという。

シン氏は、人工知能スタートアップのアンスロピックや、元国務長官のヒラリー・クリントン氏など著名人に関連する投資会社K5グローバルへの投資を引き合いに出した。シン氏によれば、SBF氏はシン氏と元最高技術責任者のゲイリー・ワン氏に対し、K5グローバルの共同オーナーであるマイケル・キーブス氏とブライアン・バウム氏のベンチャーキャピタル会社への10億ドルの投資を進めるよう命じた。「FTXの資金ではなく、サム個人の資金で行うように求めた」とシン氏は語っている。

バンクマン-フリード氏の刑事裁判は10月3日にニューヨークで開始され、シン氏の証言は裁判の9日目に行われた。陪審員はすでにエリソン氏とワン氏から証言を 聞いている。エリソン氏、ワン氏、シン氏、元FTXデジタルマーケット共同CEOのライアン・サラメ氏は、ユーザーの同意なくFTXの資金をアラメダの投資に使ったという詐欺罪に関連して有罪を認めている。

バンクマン-フリード氏の刑事裁判は11月まで続く予定で、その後、2024年3月に別の罪状で再び法廷に立つ可能性がある。FTXの元CEOは、起訴されている12の罪状すべてに対して無罪を主張している。これまでの裁判で、エリソン氏、ワン氏、シン氏はすべて、バンクマン-フリード氏と共に犯罪を犯したことを認めている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン