バイナンスがナイジェリアで問題に直面しているようだ。2024年2月27日、ナイジェリア中央銀行(CBN)のオラエミ・カルドーソ総裁は、記者団に対し、バイナンス・ナイジェリアにおける2023年の「疑わしい資金の流れ」について調査を開始したことを明らかにした。同国の証券取引委員会やその他の政府機関も、バイナンスに対して疑いの目を向けている。

カルドーソ総裁は、ナイジェリアの仮想通貨取引所は疑わしい活動を行っていると指摘。「これらの企業の多くを通じて違法な資金の流れが見られるという懸念がある。少なくとも疑わしい資金の流れだ」と述べた

「バイナンスの場合、昨年だけでも、身元が十分に確認できない人物や組織からナイジェリアを経由して260億ドルの資金が流れた」

また、カルドーソ総裁は、経済金融犯罪委員会(EFCC)、警察、国家安全保障顧問(NSA)の事務所など、複数の機関が協力して調査を進めていることを明らかにした。

さらに、NSAの事務所がナイジェリアの首都アブジャでバイナンスの2人の役員を拘束し、パスポートを没収したとの報道もある。2人は米国と英国の市民だという。

2月21日には、バイナンスを含む複数の仮想通貨取引所へのインターネットアクセスがナイジェリアで遮断された。これは、バヨ・オナンガ大統領顧問が、仮想通貨取引所がナイジェリアの通貨を操作していると主張したことが原因とみられる。バイナンスは、2月20日にテザー(USDT)の取引をナイジェリアで制限していた。

2月27日には、バイナンス、フォレックスタイム、オクタFX、クリプト、FXTM、コインベース、クラーケンなどの仮想通貨取引所がブロックされたと報じられている。同日、ナイジェリアのナイラは対米ドルで史上最安値を更新した。

CBNは昨年12月、2年間続いていた仮想通貨取引に関する銀行への禁止措置を解除し、同時に仮想資産サービス提供業者に対する規制ガイドラインを発表した。

ナイジェリアは2022年、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行した2番目の国となった。アフリカステーブルコインコンソーシアムは今月、CBNの規制サンドボックスでナイラに連動したステーブルコイン「cNGN」を発行した。