アフリカに特化したリスクコンサルティング会社SBMインテリジェンスは、ナイジェリア政府高官がバイナンスのリチャード・テンCEOに賄賂を要求した疑いが、同国の海外投資活動を阻害する可能性につながると警告した。

SBMインテリジェンスは、メディア各社に共有した報告書の中で最近の出来事とその経済的影響を評価。その中でナイジェリア当局によるバイナンス幹部の拘留をめぐる状況は、外国人投資家を落胆させるメッセージとなり、同国の投資環境に対する信頼を損なう可能性があると指摘した。

既報のように、2024年2月28日にティグラン・ガンバリアン氏とナディーム・アンジャルワラ氏の両執行役が拘留される前に、身元不明の人物からテン氏が仮想通貨での賄賂を要求されたとされている。

ナイジェリア政府はこれを否定しているが、SBMインテリジェンスは真相解明のための徹底的な調査と、責任を負うべき政府関係者を処罰すべきだと主張。同コンサルティング会社は次のように述べた。

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「政府高官が腐敗している、あるいは倫理に反する行動をとる意思があると見なされると、外国投資を阻害し、法の支配を弱体化させ、貧困と不平等の撲滅に向けた取り組みを妨げるおそれがある」

ナイジェリア政府は、国民の間で人気が高まり、受け入れられてきている仮想通貨を強く反対している。これは、政府の考えと世論との間のギャップを浮き彫りにしている。

SBMインテリジェンスは、個人が投資や取引の可能性を求めて仮想通貨に惹かれていると指摘。しかし、政府や各機関は、仮想通貨が金融取引や経済に対する中央集権的な支配力を弱めるため、否定的に見ている。

同社は、ナイジェリア政府が2人のバイナンス幹部を拘留してから2ヶ月以上が経過し、そのうちの1人は脱出に成功したことを指摘。また、SBMインテリジェンスは、ボラ・ティヌブ大統領が投資家誘致のため各国を訪問していることも紹介している。

しかし、外国企業幹部を拘留することは、同国が投資家を引き付けることを難しくする可能性があると強調した。

「バイナンスに対する告発内容が何であれ、1つの外国企業の物語は、他の企業への警告となる教訓になることを忘れてはならない。もしナイジェリアが、企業幹部が賄賂を要求され、その後無期限に拘留される可能性のある国だとレッテルを貼られたら、投資家を説得して投資させることは非常に難しくなるだろう。」