非代替性トークン(NFT)の価格が急落しても、これは市場が苦境に立たされている証ではなく、技術が成熟している証だと、Web3企業の幹部たちは主張している。
「NFT市場が後退したとは言わない。むしろ、成熟している」と、ディセントラランド財団のエグゼクティブディレクター、イェメル
・ジャルディ氏はコインテレグラフに語った。ジャルディ氏の発言は、dappGamblの9月のレポートを受 けたものだ。このレポートでは、7万3000以上のNFTコレクションを分析し、調査したNFTの95%で価値が亡くなったと結論付けている。
ジャルディ氏は市場は周期的であり、調整期間が存在するのは自然なことだと強調した。
彼はNFTが下落した原因の一部を「投機的な取引」に帰し、NFTの価値はむしろその有用性に基づくべきだと語った。「NFT、そのユースケース、その有用性について人々がより知識を深めるにつれて、市場は安定し、焦点は投機的な取引から真の有用性とイノベーションへと移るだろう」と語った。
トークン化されたコミュニティ管理プラットフォームCollab.Landの共同創設者、アンジャリ・ヤング氏もまた、アンチNFTの市場心理に驚きはないと話す。「あらゆるイノベーション、特に金融的な影響、文化的価値を持つイノベーションは、低迷期間中に疑問を持たれることになるだろう」と彼女は語った。
ヤング氏は、オープンシーなどのマーケットプレイスが8月末にロイヤリティの支払を任意にしたことにより、多くのプロジェクトがつまずいていると考えている。
それにもかかわらず、彼女はNFTが「残り続ける」と主張し、今後数ヶ月でロイヤルティプログラム、報酬、広告、真正性の証明などでより多く使用されるだろうと予想している。
NFT市場は主にデジタルアートによって支配されているが、NFTがデジタル環境にとって重要なツールであり続け、物質的な資産の所有権がユーザーに新たな方法で示されるとジャルディ氏は語った。ジャルディ氏は、将来的に政府や企業がNFTをさまざまなユースケースで活用するだろうと考えている。
エンターテイメントセクターもまた、NFT業界が獲得すべき巨大な市場だと、スポーツトークンプラットフォーム「キャンディ・デジタル」のスコット・ローウィンCEOは語っている。
ローウィン氏はコインテレグラフに対し、2022年にモバイルチケットでスタジアムに入場したメジャーリーグベースボールのファンの24%が、記念品としてキャンディが提供するデジタルチケットを引き換えたと語った。「それらはすべてリアルタイムのNFTのユーティリティだ」とローウィン氏は強調する。
ブランド側では、アディダス、バドライト、グッチ、プラダなど、NFTスペースに参入している企業は、Discordチャンネル上のアクティブユーザー数が最近増加していると、ヤング氏は語った。
フォーブスデジタルアセットのデータによると、NFT市場の時価総額は現在50億ドルに達している。ユガ・ラボ所有のクリプトパンクスとボアード・エイプ・ヨット・クラブのコレクションが最大で、それぞれの時価総額は7億1000万ドルと4億ドルだ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン