金融市場におけるブロックチェーン技術の活用を促すため、スイスでキャピタル・マーケッツ・アンド・テクノロジー・アソシエーション(CMTA)と呼ばれる新たな団体が立ち上がったことが12日に明らかになった。

 CMTAは、資金調達のためにブロックチェーンなど新技術の応用を目指す様々な企業を対象にオープンなスタンダードやツールを作ることを目指す。

 スイス最大の法律事務所レンズ&シューテリンのパートナーでCMTAの初代議長であるジャック・イフラント氏は、次のようにコメントした。

 「ブロックチェーン技術の可能性は、既存の資本市場を単純化し、新規参入の壁を下げる点にある。しかし現状は法整備が進んでおらず、そのことがこの分野の発展の足かせとなっている。オープンな業界のスタンダードを定義することで、CMTAは、ビジネスにとって資金調達しやすい環境を作り、引いては経済全体に貢献することを目指す」

 CMTAは、レンズ&シューテリンの他、オンラインバンキングのスイスクオート、ソフトウェア・プロバイダーのテメノスなどの関係者によってジュネーブで設立。スイスは、ツーク州にあるフィンテックやブロックチェーンなどの中心地「クリプトバレー」のおかげもあり、仮想通貨とブロックチェーンに友好的な国として知られる。

 ツーク市は、今夏にブロックチェーンを用いた試験的な市民投票を実施する予定。この投票では2017年11月に立ち上げられた同市のデジタルID(eID)システムが導入され、市民はスマホなどから投票できるようになる。また今週初めには国民投票を行い、中央銀行の権限を強化して銀行の融資方法を変えることを目指したイニシアチブ「ソブリン・マネー」を反対多数で否決した