米仮想通貨(暗号資産)投資会社グレイスケール・インベストメントの第2四半期レポートで、同社のデジタル資産商品の投資額が9億5080万ドル(約1016億円)と過去最高に達したことがわかった。ビットコインの値動きがない中でも機関投資家の仮想通貨への需要は依然として増加傾向にあるようだ。

10億ドル近くの資金流入は、2020年第1四半期の過去最高だった5億370万ドルからほぼ倍増したことになる。デジタル資産は82.92%に当たる7億5110万ドルがグレイスケール・ビットコイントラスト(GBTC)に投資された。

機関投資家がリード

グレイスケールのデジタル資産信託の主要な顧客は機関投資家だ。2020年第2四半期の投資額の84%を機関投資家が占めている。

一方でグレイスケールでは新規投資家が大幅に増加しており、第2四半期では全投資家の57%をしめた。だた、新規の投資家が増えたとしてもデジタル資産商品の流入額では1億2410万ドルにとどまっている。

(出典:グレイスケール「2020年第2四半期の新規投資家」)

機関投資家もアルトコインに飛びつく

新規投資家が増加した一方、機関投資家はビットコイン以外の資産にも投資を始めている。これはビットコインのボラティリティが低いことが原因と考えられる。

現在81%の投資家がビットコイン以外の資産にポートフォリオを分散させている。レポートでは以下のように説明した。

「2020年第1四半期にはロングのボラティリティーが勝利の取引となったが、リスク資産が着実に回復したため、第2四半期にはボラティリティーは低下した。2020年第2四半期では、デジタル資産はほとんどの指標が優れていた。ジーキャッシュやイーサリアム、ステラがそれぞれ72%、62%、62%のリターンを得てリードした」

グレイスケール・イーサトラスト(ETHE)にも資金が大量に流入し、第2四半期で1億3520万ドルとなった。

これはグレイスケールの投資商品の流入総額の15%。ETHのプレミアムが高騰したことで、機関投資家にアービトラージを提供した可能性がある。

実際、グレイスケールはETHを積極的に購入していることも明らかになっている。今年6月後半、マーケット解説系のポッドキャスト「コインスクラム(Coinscrum)」に出演したグレイスケールの投資家担当レイ・シャリフ・アスケリー氏は、年初来で1億1000万ドル(約120億円)分のイーサを購入したと話した。1億1000万ドル分のイーサは、過去5ヶ月の市場供給量の0.4%に相当する。

シャリフ・アスケリー氏によると、グレイスケール の顧客のうち38%以上が1つ以上の仮想通貨資産を保有。12ヶ月前の約9ヶ月から大きく変化した。「デジタル通貨資産内で分散投資をすることが投資家の間で流行っている」とシャリフ・アスケリー氏は述べている。

シャリフ・アスケリー氏は、グレースケールが仮想通貨を大量に集めている背景には、新型コロナウイルスに対する米国金融政策を受けたインフレ懸念があるとみている。同氏は投資家が「前例のない金融刺激策に直面する中でインフレのヘッジとして使えて希少な資産を探している」と分析した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン