EUの第5次マネーローンダリング対策指令が7月9日に施行された。この指令は欧州の各監視機関がマネーロンダリングやテロ資金調達を防ぐためのデジタル通貨規制の新しい法的枠組みとなる。コインテレグラフ・ドイツ版が10日に伝えている。
欧州委員会はプレスリリースで、新規則はマネーロンダリングやテロ資金調達を目的とした「プリペイドカードによる匿名の支払」や「仮想通貨取引所プラットフォームの使用」を狙った一段と厳しい透明性要件を制定する、と書いている。
「第5次マネーローンダリング対策指令はほかにも、マネーロンダリング対策(AML)と、欧州中央銀行などの健全性監督者との間の協力や情報交換もさらに進める」
欧州委員会は、デジタル通貨の違法使用を適切かつ確実に予防するためにも、その使用については関係当局が監視できるようにすべきである、と書いている。
「所轄官庁は、マネーロンダリング防止とテロ資金対策(AML/CFT)の目的のために、関係各当局を通じて仮想通貨の使用を監視できなくてはならない」
欧州委員会は、監督機関が仮想通貨を効果的に監視するために、監督機関は通貨のアドレスをオーナーと紐付けたり、自己申告メカニズムを用意すべきだとしている。
「匿名性に関連したリスクに対抗するため、仮想通貨のアドレスと、その仮想通貨のオーナーのIDを紐付ける情報を各国の金融情報部門が入手できるようにすべきだ。また、ユーザーが指定機関に対して自発的に自己申告可能にすることの実現性についても評価を進めるべきだ。」
しかし新しい指令では、(市内もしくは地域内など)かなり限られた範囲内、もしくはごく少数のユーザー間でのみ使用されるいわゆる 「ローカル通貨」は、仮想通貨と判断されるものの中から除外されることになる。欧州委員会は、別途発表されたファクトシートに新指令の概要を提示している。
新指令が発行したことで、加盟各国は18カ月以内にこの新法を各国の国内法令に導入しなければならない。28のメンバー圏は今年4月に新指令の各条項に同意している。