ナスダックは26日、ウォールストリートジャーナルに対し、株式市場と取引所のITプロバイダーは、ブロックチェーン技術を導入するのが遅れていると指摘した。

 ナスダックが委託し、金融・テクノロジー調査会社セレントが実施した調査によると、世界の株式市場インフラのサプライヤーの多くは、分散型元帳技術(DLT)の利点を探索する初期の段階にある。

 同レポートによれば、すでに何らかの形でブロックチェーンを採用しているITプロバイダーは5%のみ。一方で、すでにクラウドコンピューティングを使用しているのは40%、ロボットプロセスオートメーションを導入しているのは70%、人工知能(AI)ソリューションを提供しているのは35%だった。

 ITプロバイダーの70%がトライアルプロジェクトを開発していると回答したが、20%はブロックチェーンを導入する計画がないと回答し、5%がこの領域における専門知識を欠いていると答えた。

 この調査は、世界の主要な市場インフラ企業20社の最高情報責任者、最高技術責任者(CTO)、およびその他の上級技術リーダーを対象に実施した。

 この研究の著者であるセレントのシニアアナリストのArin Ray氏とJoséphinede Chazournes氏によると、新技術を適用する前に、市場インフラのプロバイダーは、まずブロックチェーン技術が十分なスケーラビリティ、セキュリティ、スピードがあることを確認する必要がある。著者らは、法規制遵守に加えて、これらの欠点を克服することが、今日の市場に技術を導入するために必要であると述べた。

 Arin Ray氏は、コア・マーケット・インフラストラクチャーの運用にブロックチェーンを採用するには時間がかかると強調した。Chazournes氏は、すべてのステークホルダーが、既存のシステム、特に国際取引システムに取って代わるブロックチェーンを活用したプロジェクトを開発することは 非常に難しいと述べた。