資産運用額15億ドルのモーガン・キャピタル・マネジメントの子会社、モーガン・クリーク・デジタルが、放物線型の成長モデルによると2021年の中頃までにビットコイン(BTC)の価格が10万ドル(約1100万円)に到達すると発表した。ファンドストラットのトム・リー氏など並び今後のビットコイン価格に強気な見方を示したことになる。

モーガン・クリーク・デジタルが示した根拠は、これまでのアナリストの予想と一線を画する。今年の第2四半期(4-6月期)のレビュー(42ページ~参照)の中でモーガン・クリーク・デジタルは、多くのアナリストがビットコインや仮想通貨が「ネットワーク」であり、伝統的な金融資産と異なることに気づいていないと指摘。ネットワークの価値はネットワークを使用しているユーザー数の2乗に比例するというメトカーフの法則に基づいて指数関数的な成長を遂げるが、「人間は指数関数が得意でない」という。

モーガン・クリーク・デジタルは、ネットワークの重要性について、iPhoneを例に次のように述べた。

「一台しかなかった時、ネットワークの価値はない。2台でも同じく価値はない。100万台だったら、意味ある価値が生まれる。100億台だったら、凄まじい価値だ。同じことがビットコインのネットワーク価値にも当てはまる」

その上で、ライトニングネットワークなど新たな技術が普及を早めて、曲線の傾斜を上げるだろうとみている。

ライトニングネットワークは、ビットコイン(BTC)のスケーラビリティー問題や手数料高騰問題を解決し、マイクロペイメント(小額決済)を可能にする目的で開発中の技術。ビットコインのブロックチェーンネットワーク外に構築される決済ネットワークで、オフチェーンやセカンドレイヤー技術とも言われる。

モーガン・クリーク・デジタルによると、放物線型の成長モデルは次のような価格を予測しているという。

2018年の年末 2万2000ドル(約240万円)

2019年の年末 4万1000ドル(約455万円)

2020年の年末 7万5000ドル(約830万円)

2021年の中頃 10万ドル(約1100万円)

一方、ファンドストラットのトム・リー氏は、コインテレグラフ日本版との取材の中で、インターコンチネンタル取引所(ICE)の仮想通貨プラットフォームであるバックトやビットコインのマイニング費用上昇を根拠に、今年、ビットコインが2万ドル以上になる可能性はまだあると予想していた