ムーディーズ・アナリティクスは、24時間以内のデペッグの可能性をAIで予測するステーブルコイン向けの新サービスを開始した。また、ステーブルコインの発行体の流動性や安定性に関するリアルタイムの洞察も提供する。

11月6日に発表したデジタルアセットモニター(DAM)のローンチ発表の中で、ステーブルコイン市場は安定化していると述べた

2023年には、これまでに1914件のデペッグが発生しており、そのうち609件は法定通貨担保の大型ステーブルコインだった。これは、2022年全体の2847件のうち、707件が大型であったことと比較して減少している。ムーディーズ・アナリティクスによると、デペッグの原因は、金利上昇によるものもあれば、コイン固有の要因によるものもあるという。

Schematic of Moody’s Digital Assets Monitor. Source: Moody’s

ムーディーズ・アナリティクスのDAMは、法定通貨担保の25種類のステーブルコインをトラッキングする。これらのステーブルコインは、テザー(USDT)、USDコイン(USDC)、PayPalコイン(PYUSD)などが含まれる。同社のウェブサイトによると、今後、さらに多くのステーブルコインがサービスに組み込まれる予定だ。

「デジタルアセットモニター(DAM)は、オンチェーン・オフチェーンデータ、財務諸表、経済指標を組み合わせた機械学習モデルです」

デペッグのリスクを特定するだけでなく、このサービスは「ステーブルコインの市場と流動性のダイナミクス、ステーブルコイン発行体の安定性、ステーブルコインの資産を保有するカストディアン、これらのリザーブの質」も示す。さらに、「これらの法定通貨担保ステーブルコインの背後にあるエンティティによる開示の質を強調する透明性指数」を提供するという。

ムーディーズ・アナリティクスの製品イノベーション上級ディレクター、イアニス・ギオカス氏は発表の中で、「このツールは、顧客のニーズに対応するために、アジャイル開発フレームワークを使用して1年で構築された」と開発スピードの速さを強調した。

同社がこの新しいサービスを開発しているとの報道は、今年初めに浮上した。ムーディーズ・アナリティクスは、ムーディーズ・レーティングとは別会社であり、定期的に仮想通貨市場の側面について解説を提供している。