ICOのコンサル業などを手がけるサティス・グループは30日、今後の仮想通貨市場についてレポートを公表し、ビットコイン(BTC)とモネロ(XMR)が急上昇する一方、リップル(XRP)は急落すると予想した。流動性の増加やネットワークの処理能力に重きをおく一方、分散型アプリ(dApps)などの普及ではなく、オフショア市場での活用性を重視している。
(引用元:Satis Research)
サティス・グループが今後1年~10年にかけて一番上昇すると予想したのは匿名性の高さで知られているモネロ (XMR) 。現在約98ドルで推移して時価総額で第11位だが、サティスは今後1年で1476ドル、5年で18498ドル、それぞれ1336%と17887%上昇すると予想した。
背景にあるのは、オフショアの預金市場の拡大だ。サティスは、今後、税金や規制を逃れるためにオフショアに預金を移動する個人や企業が増えるとみていて、仮想通貨の価値の9割以上は、分散型アプリ(dApps)や他のユースケースではなく、オフショア市場における使い勝手の良さにリンクすると分析している。モネロは、取引データをうやむやにできることなどから、オフショア市場で重宝されることになるという。
サティスが2番目に大きく上昇すると予想したのは、ビットコイン(BTC)。今後1年で3万2914ドル、5年で9万6378ドルとそれぞれ367%と1267%の上げ幅を予測している。サティスはその理由として、「流動性の増加と取引場所の拡大」、「ブランド認知度の向上」、「仮想通貨市場におけるデフォルトのベースペアとしての役割」、「ボラティリティの減少」、「セカンドレイヤーの発達によるネットワークの処理能力の向上」などをあげている。
イーサリアム(ETH)も上昇するとしているものの、仮想通貨市場におけるシェは比較的減少するという予想になっている。
一方、現在時価総額第3位のリップル(XRP)に対しては厳しい予測となった。今後5年で0.01ドルになり、97%も急落することになるという。サティスは「誤解を招きやすいマーケティング手法を使っているほか、自身のネットワークでの使用が必ずしも必要でないこと」からほとんど価値を見い出していないと解説した。