イングランド銀行が25日金曜、マサチューセッツ工科大学メディアラボのデジタル通貨イニシアチブ(通称DCI)と中央銀行デジタル通貨(通称CBDC)に関する研究プロジェクトを1年間共同で実施することで合意したと発表した。イングランド銀行は声明で、今回発足する新たなプロジェクトはCBDCの研究のみを目的としており、実用的なCBDCの開発は意図していないとした。

イングランド銀行は20年にCBDCの研究に着手し、同年3月にディスカッションペーパーを発表した。DCIはこれに反応し、CBDCが当ペーパー内で提示された目的をどのように達成できるか議論を行った。昨年4月、イングランド銀行と英財務省はCBDCの可能性を探るタスクフォースを立ち上げた。イングランド銀行は24日木曜、CBDCに関する最新のディスカッションペーパーを発表した

イングランド銀行や財務省以外の組織もCBDCに関する議論に参画している。例えば、英上院の経済問題委員会は今年初めに、デジタルポンドの可能性については複雑な立場にあると表明し、「決済スピードの向上や、より安く・より速い国際間決済の実現というメリット」はあるが、「金融安定性への影響やプライバシー保護に関する課題」も依然として存在していると指摘した。