マイク・ノボグラッツ氏が率いる仮想通貨商業銀行ギャラクシー・デジタルは、仮想通貨企業に米ドルの貸し付けを行うため、2億5000万ドル(274億円)のファンドを設立する方針だという。米ビジネスインサイダーが24日に報じた

ギャラクシーデジタルは、仮想通貨の弱気相場の中で苦境に陥ってる仮想通貨関連企業のローンを提供するため、ファンドを立ち上げる準備を行っている。ビジネスインサイダーは、関係者の話として「少なくとも2億5000万ドルを調達し、米ドルによる融資を行う」と伝えている。また最初の資金調達は今年3月に行われる予定だという。

融資を行う企業に対しては、仮想通貨やマイニング装置、不動産などを担保として提供してもらう。

ギャラクシー・デジタルは既に昨年から貸付業務を行っているが、同社は仮想通貨企業からの融資の需要はさらに増加しており、新たにファンドを設立するという。

ビジネスインサイダーは多くの仮想通貨企業が苦境に陥っていると指摘する。仮想通貨の弱気相場によって、ICOで調達した資産が目減りしているのに加え、マイニング企業も収益を上げるのに苦戦している。ICOで追加的に資金を調達するのも難しい状況だ。

弱気相場で人員整理や事業見直しに迫られる仮想通貨企業が出ている中で、仮想通貨関連の貸付業者だけは好調だ。

ブルームバーグの1月2日の記事によれば、仮想通貨を担保に法定通貨を貸し付けているブロックファイは、18年6月以降、収益が10倍に拡大した。ブロックファイのザック・プリンスCEOは「元本割れを経験したことが無い」と述べ、「これは低リスクな貸付だ」と記事の中で語っている。

そのブロックファイに対して、ギャラクシー・デジタルは昨年6月に投資を行った。この時の資金調達でブロックファイは5250万ドルを調達した。また昨年12月には日本のリクルートもブロックファイに出資している。

マイク・ノボグラッツとは、米ヘッジファンド界の巨頭かつ仮想通貨業界の大物投資家。ゴールドマンサックス出身。仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタルの創業、同社CEOを務める。米国で仮想通貨カストディ(保管)サービスを手掛けるBitGoへの出資など仮想通貨業界の変革を推し進める投資家としての活動が注目されている。また同氏の発言は楽観的なものが多く、仮想通貨業界のモチベーションを上向かせている。

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