精彩を欠いたバランスシートや過剰な負債、ビットコインへの過剰なレバレッジ・エクスポージャーにより、マイクロストラテジーの株価(MSTR)は2月以降、63%以上も暴落している。それにもかかわらず、同社はさらに負債を調達し、その資金でビットコインを購入しようとしている。

マイクロストラテジーは6月7日、「ビットコインを追加で取得するため、4億ドルの上級担保付債券の元本総額を私募で調達する」と発表した。同社はすでに92000BTC以上を保有しているこれは、現在のレートで約33億1,000万ドルだ。

BTC/USD (blue) vs. MSTR (orange) YTD performance. Source: TradingView

MSTRは、6月7日のニューヨーク証券取引所の始業後、2.17%急落し、1株あたり469.29ドルとなった。年初来高値では、1,135ドルで取引されていた。

儲かっていない

マイクロストラテジーはこれまで、世界の主要通貨の切り下げが続くことに対する保険として、ビットコインのポートフォリオを構築していることを明らかにしていた。しかし、ビットコインを連続して購入したことで、同社は効果的に米ドルの下落以上のものから身を守った。それは、不採算のビジネスだ。

MicroStrategy's net income growth plunged 121.90% in 2020. Source: Wall Street Journal

また、マイクロストラテジーのオルタナティブ資産の保有状況を見ると、ビットコインに過度に偏っており、不動産の投資額は全体の0.2%にも満たない。

最新の四半期報告書では、3月31日時点でのバランスシートが弱くなっており、負債資本比率は4.55で、株式評価額0.37億ドルに対して16.6億ドルという大きな負債を抱えている。

MicroStrategy is holding assets worth $2.44 billion as of March, out of which $1.947 billion is Bitcoin. Source: WSJ

ビットコインの価格変動を考慮すると、これはリスクが高い。マイクロストラテジーは、負債を返済するのに十分な収入を得ておらず、ビットコインの利益に大きく依存している。さらに、転換社債の償還期限が2028年であるにもかかわらず、さらに3億ドルを調達する意向だ。

上場投資信託(ETF)のストラテジストであるフアン・デ・ラ・ホズ氏は、ビットコインが今後50%以上下落した場合、マイクロストラテジーが債務超過に陥るリスクがあると懸念。ビットコインが2014年と2018年に大暴落したことを指摘した。同氏は、マイクロストラテジーは債務超過を回避するために保有するビットコインを清算する可能性が高いと予想した。

ホズ氏自身は、レバレッジをかけて仮想通貨に投資することも、仮想通貨関連企業に投資することもないと付け加え、マイクロストラテジーとビットコインに対する極めて弱気な見通しを示した。

「単純にリスクが高すぎて、すべてを失う可能性がある」